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佐藤優『読書の技法』はとても参考になる
先日某所で読書術みたいなことが話題になった。難しめの本を読むのは時間がかかるししんどいものなのであるからして、みんな自分なりの工夫をしているのである。
これは自分のざっくりした感覚なのだが、前提となる知識が身についてないような本は読むだけ時間の無駄である。なにも頭に入らないからだ。7割くらいは知っているというような本が、苦痛なく読み進めることができて、かつ知的な充足感も大きい。自分の仕事の専門分野だと知っていることが9割くらいで、残りの1割を探すために猛スピードで読む感じになる。
難しいのは5割くらいのときだ。がんばったら読めなくはないが、文意がとれない、単語の意味がわからないといったことで、目が滑ったり、同じところを何度も読んだりするはめになる。
そこで私が参考にしているのは佐藤優氏のこれだ。まず安心するのは氏のような博覧強記でも月に熟読できるのは多くて6冊くらいということだ。凡人だったり、仕事が忙しいならもっと少なくて当然である。また巷の速読術などというものがいかにいい加減かわかるだろう。
熟読以外では、15分で読む超速読、30分で読む普通の速読を使い分けるという。当たり前だがこれではかなりいい加減にしか読めないのである。これも凡人でも佐藤優氏でも変わらない。熟読する本をピックアップするために読むって感じらしい。
読書ノートの作り方もとても参考になる。熟読した本はもちろんのこと、30分速読でも読書ノートを作ることもあるという。アウトプットを意識することで、読書の効率が上がるのは言うまでもない。
これらを参考にした私の熟読のしかたを記しておく。知っていることが5割くらいの場合は、とにかく速くなくていいから、ゆっくりでもいいから読み進めることを重視する。その途中で気になったこと、興味深いとおもったところに、線を引いたり、ハイライトをつけたり、ページの角を折ったり、付箋を貼ったりする。これでとにかく最後まで読んでしまう。もちろんあまりにも基礎知識が欠けていると思ったら途中でやめることもある。5割くらいは知っていると思っていたのに、3割だったということはたまにある。そのときは佐藤氏の本にあるように、高校レベルの教科書から勉強し直しだ。
そして2周目は印をつけたところを中心に丁寧に読みつつ、Evernoteに抜き書きしたり、要約を書いたり、疑問点を書いたりしていく。知らない単語はなるべくWikipediaなどで調べる。こうするとだいたい内容は把握できることになる。場合によってはもう1周することもある。Evernoteに作った読書ノートを参考にしながら読み進めるとさらに理解が深まるのだ。
もっとも2周目を終えてすぐに3周目に入ることはめったになくて、年に1,2回だ。よくあるのは2,3年後に急に思い出して読みたくなるときだ。内容はけっこう忘れているのだが、線が引いてあって、読書ノートがあるとすぐに思い出せる。また2,3年の間に新たに身につけた知識のおかげでより深く読めるのである。
こういったことを繰り返すのが私にとっての丁寧な暮らしであり、さほどお金をかけなくても静かに幸せに生きていけるのだ。
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