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植原亮『思考力改善ドリル』読んだ

新著『遅考術』が好評な植原亮先生のこちらの書籍が某所でおすすめされていたので読んでみた。

因果関係の判定、帰納的推論、アブダクション、演繹的推論、反証可能性など、思考のための基本事項が網羅されていて、とても良いと思った。こういうのをもっと若いうちに読んでおきたかった、できれば10代のうちに。。。

ただ、日夜Twitterでレスバに明け暮れる諸氏には物足りない内容かもしれない。

例えば一番最初の例題、電車で健康そうな若者が誰も老人に席を譲ろうとしなかったのはなぜか?
まともな思考力の人間であれば、老人には席を譲るものという前提から疑ってかかるだろうが、本書ではそういうことは求められない。
もっと出題者の意図を汲み取るような、受験エリート的発想が求められる。そういうのは二十歳くらいまでに済ませておきたいよね。

そういう感じで例題と練習問題がたくさん並んでいて思考の型を学べるのである。なにごともまず型から入るべきなのであり、型すら知らないから型通りの文句にあっさり誤魔化されてしまうのだ。

とはいうものの、恥ずかしながら私は帰納的推論が常に間違える可能性があることと、科学における反証可能性が本質的に同じことであるのは知らなかったのであった。

間違えるリスクを冒さなければ進歩はないのである。

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はむっち@ケンブリッジ英検
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