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13.叔母の死で始まる従姉妹との同居

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叔父の妻が死んだ。
その事を知ったのは、葬儀場に着いてからだった。
叔父は父の弟で、度々両親の顔を見に、敷地内同居の我が家に来ていたので面識はあった。
だが、叔父の奥さんや子供の事は知らなかった。

子供の私にはよく分からないまま、葬儀は進んでいく。
叔父と、それに寄り添う女の子二人の姿が印象的だった。

「可哀想にねぇ」
「だって新居の引渡しが終わったその日だったらしいわよ?」
「ご主人の浮気が~って離婚する・しないの話だったんじゃないの?」
「でも新居を建ててたんだから和解したかと思ってたわよ~」
「普通そう思うわよねぇ。
それにしたって入居前の新居で首を吊るなんて、最大の復讐でしょうねぇ」

大人たちの噂話が本人たちに聞こえないか、こっちが心配になる程だ。
泣いてる女の子たちを気の毒に思った。
でも何で死んだんだろう?

母はこういう時、親戚への挨拶だったり忙しそうにピリピリしていたので、タバコをくゆらせている父に聞いた。
「首を吊るってなに?」
「ん~首を吊ると死んじゃうんだよ。
自殺ってこと。
自分で死んだってことだよ」

そうなのか、自分で死ぬパターンもあるのか。
幼稚園に入る前に母方の祖父の葬儀にも参列したが、闘病期間中にお見舞いに行った事もあったし、人はみんな病気か事故で死ぬのだと思っていた。

「それにしても、これから大変だろうなぁ。
ママが首吊った家になんて子供たちも住みたくないだろうし、新築なのに人が死んでちゃ売れないだろうしなぁ」
と、父は他人事のように言うのだった。

そんな話をしていた所を聞かれたのか
「不謹慎でしょ!
っていうか悲しくないの?」
と、また母に怒られてしまった。
でも葬儀だと言うのに、母はいつも以上に気が立って見えた。


そして私がぼんやりと生きている間に、叔父とその娘たち(いわゆる従姉妹)が祖父母の家の二階に住む事になり、引っ越してきた。
祖父母はうちの一階に寝泊まりする事になったが、今まで以上に苛立っている事が増えたように感じた。

「こんな歳になって、子供の面倒を見なきゃならないなんて・・・」
というセリフは今まで以上に増えて、巡業中の面倒を見てもらっている私も肩身が狭くなった。

その反面、私はドキドキしていた。
幼稚園の友達は徒歩圏内に住んでる子はいなかったので、近所に友達はいなかったし、兄弟もいなかったから仲良くなってみたかった。
私より一歳上のカナちゃん、そして三歳上のサナちゃん。
2人は小学生で、うちに引っ越してきた時には
「広ーい!
豪邸みたい!
よろしくね、なっちゃん」
と、明るく話しかけてくれたから、生活が良い方に変わっていく気がして、期待に胸が膨らんでいた。


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