アラン・ドロンさんについて私が知っている2, 3の事柄
突然やってきた訃報。。。享年88歳か。
とは言っても、昨日言及した田中敦子さんとは異なり、同時代の俳優とは言い難く、あまり哀しみはない。
なんせ初めて彼の出演作を見たのは1990年代前半、私が中学生だったころに深夜放送で1968年公開の『さらば友よ』だったからだ。
本作に衝撃を受けた私は彼の出演作をたくさん見たが、フィルモグラフィを確認すると、まともなのは1973年の『暗黒街のふたり』とか『スコルピオ』までだったようだ。
ヌーベルバーグとか、1990年代のおしゃれなおフランス映画とか、2000年代のネオフレンチノワールとかにはあまり興味がなかったのが、俳優業に飽きてしまったのか、理由は知らないが、1970年代には俳優としての活動はほとんど終えていたのである。
だから訃報に接しても、永遠のカリスマという印象はいささかも変わらないのである。
もちろん最も印象に残っているのは最初にあげた『さらば友よ』である。
これぞフレンチノワールって感じで、落合信彦大先生も絶賛されていた。
落合先生ほか、本作を武骨なブロンソンが二枚目のドロンを喰ったと評する向きが多いが、全くそんなことはない。2人ともめちゃかっこいい。
DVDは当然もっているので、数十回は見ている。2000本以上映画は見ているが、余裕でオールタイムベストテンに入る。
パッケージにもなっているラストシーン、ブロンソンのタバコにドロンが火をつけてやるところが超絶かっこいいんだよな。
ちなみに本作はチャールズ・ブロンソンの最高傑作に推す人も多い。私もそうだ。
あとは何かな。有名なのは『太陽がいっぱい』だろうか。ルネ・クレマン監督らしい陰鬱な作品だが、まあクレマンなら他にいくらでもいいのあるしなあって感じ。
なんならジュード・ロウとマット・デイモンによるリメイクのほうが好きかも。
閑話休題。
アラン・ドロンはわりと仕事を選ばない人だったようで、サムライとか仁義とかリスボン特急とかボルサリーノとかシシリアンとか、東映任侠映画みたいなのにたくさん出演している。
どれもいまいち覚えていないが、高倉健とか鶴田浩二の出演作をいちいち覚えていないと同じことだろう。
R. I. P.