見出し画像

『究極の鍛錬』とかいう自己啓発本おもろかったで

こんな本を読んだ。

こないだ紹介したこの本を購入したから、Amazonさんがおすすめしてきたのである。

そしてさくっと購入してしまったというわけである。

おまえ自己啓発本ばっかり読んでね?って思った人もいるかもしれない。残念ながら認めるほかない。もう自分のことはどうでもいいので、若い人間をどう育てるかで頭がいっぱいなのだ。

それで本書は、いかにして卓越した能力を身につけるかがテーマである。

はっきり言うと、これとほぼ同じ内容だった。

つまり、偉大な結果を残す人間はたくさんの訓練をしている。それもコンフォートゾーンの外側でやるから、辛い、厳しい、楽しくない。という内容。

それも小さい時から山ほど時間をかける。筆者はこれを10年ルールといっている。傑出した芸術家が世に認められるまでに10年かかっているからだ。分野によってはもう少し短くて6年だ。

とんでもない時間を捧げないといけないから、早く始めるほど有利になる。だから親が導かないとできない。親は親で子供に全力投球するといった内容だ。

もちろんそれをすることが本当に本人の幸せになっているのか?という疑問も提示している。このレベルになると内発的動機づけによらなければできないので、それなりに達成する喜びはあるだろう。

さりとていろいろなことをやらないという犠牲も伴っている。例えば本書でとりあげられるタイガー・ウッズ。父のアール・ウッズの献身もあって、とんでもない成功を収めた。しかし彼は様々な問題を抱えていることが知られている(本書ではそのことには言及されていない)。彼がゴルフに打ち込まなければ、そういう問題はおこらなかったどうかはわからないが。

とんでもない時間が必要ということに関連して興味深かったのは、卓越するには深い知識を身につけるということである。ひらめきなどあてにならない、学ぶことが大事ということだ。抜きん出ようとするならすでに明らかになっていることはほぼ全部知っていなければいけない。革命的な仕事をしたとされる人々も先行研究に少し付け足している、というのはよくあることだ。

このように本書全体を通して、才能、センス、ひらめき、生まれつきという要素を徹底的に否定する。もちろん内発的動機づけも生まれついてのものではない。たしかに、生まれながらにしてピアノを演奏する動機を持っているなんてことはありそうもない。

動機づけについては、人生の早い段階で偶然おこったちょっとした優位性が、乗数効果をによって長期的にははるかに大きな優位性につながるという仮説を紹介している。

これはありそうなことに思える。始めは外的な動機であったことも、たまたま同世代よりも上手くできた、だから嬉しくなってさらに訓練する成功する。それが良い環境をもたらして、さらなる優位性につながる、というサクセスストーリーは何度も見てきた。

問題はこの良い循環を再現性よくおこせるかどうかだが、とりあえず自分でやってみるしかないね。

いいなと思ったら応援しよう!

はむっち@ケンブリッジ英検
サポートは執筆活動に使わせていただきます。