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成田奈緒子『高学歴親という病』読んだ

たまにはベストセラーも読んでみるシリーズ。

著者は山中伸弥教授の神戸大学の同級生で、小児神経専門医かなにかのようである。

そしてタイトルのとおり、高学歴だが残念な親御さんをたくさんみることがあるようだ。

著者のところに相談に来る高学歴な親御さんは、自分のできなかったことを子供に託そうとして、子供の成長を阻害しているらしい。自分の人生のリベンジを子供に託すのが悪いとは思わないが、それも程度問題だよねってことだ。

私だって子供たちには私のような失敗をすることなく、最短距離で知性の高みに到達してほしいと願っているが、子供とてしょせんは別人格であるということを忘れないようにしないといけないね。

これだけならありふれた話だが、子供の脳には育てる順番があるという指摘は興味深かった。

まず身体についての脳を育てる。睡眠とか食事とかである。

次に社会性、そして知性である。

この順番を間違えると歪になってしまうらしい。

だが著者のアドバイスによって立ち直った親子も多数いるようだから(そうでなければ相談する意味がないのだが)、不可逆的というわけでもないようだ。

早期教育がしばしば無意味であるのは、この順番を無視しているからではないかと思うのであった。

もう一点。高学歴親子はレジリエンスが弱いという指摘。
まあそうだろうね。レールから外れたら弱そう。私も自信がない、レールから外れなくてよかった。
まあこれからはホワイトカラーよりも現場仕事のほうが需要がありそうなので、勉強うまく行かなかったらそちらで稼げばいいというメンタリティが大事だよね。


文字が大きくて、行間も広いので、気軽に読めた。また論旨が明快なので読みやすい。こういう本は売れるよね。

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