アンガーマネージメントと仏教は相性が良い
昨日に続いてアンガーマネージメントについての学習記録である。
とりあえずもう一冊似たようなのを読んでみようと思ってAmazonをつらつらみているとこれが目に入った。
どうもベストセラーのようだし、Audibleのコインも余ってるし購入した。それに著者本人が朗読しているのもなんかいいなあと思ったのだ。
Kindle版は2021年3月5日現在、Kindle Unlimitedに入っているのでこれもいいかもしれない。
著者は、東大法学部卒業後、いろいろあってミャンマーやタイに留学し現在はインドで活動中の僧侶である。そういう意識高そうな経歴からわかるように自己啓発本をたくさん書いておられるのだ。
とりあえず1.8倍速くらいで聞いた。2.1倍くらいまではいけたが、そうするとそれなりの集中力が要求されるのでやめた、疲れるし。車を運転しながら2倍速以上で聞くと事故るのではないかと心配になった。それとも慣れたらいけるものなのだろうか。
内容は「反応しない練習」というタイトルからだいたい想像できるものである。
重要なのは判断しないこと、だそうである。うん、これは理解できる(実践できるとはいってない)。判断したらゲームオーバーらしい。
ゲームオーバーになる前に、まずは理解する。受け入れられるかどうかは別にしてまず傾聴、理解に努めるのである。そして理解した内容にストレートに反応しない、客観的な対象物としてとらえるのである。
例えば、Jリーグの試合が中止になって怒りがこみあげそうになったら、まあみんなそれぞれ事情があるよね、やむをえない決断だよね、というふうにやや突き放した理解をすればよいのである。
非常にためになった。
それから著者は南方系の僧侶であるから、初期仏典のブッダにまつわるエピソードがたくさん出てくるのでとても嬉しい。著者はゴータマ・ブッダのクールな側面を主にとりあげている。個人的にはブッダという人は実は愉快な人だったのではないかと考えている(でなければ2500年続く教団を作れないのではないか)。その一方でクールなところも、ニヒリストなところも、プラグマティックなところもあったであろう。
そして著者は仏教は合理的な部分が多々あって、現代人の生活におおいに応用できると述べる。まあ仏教が合理的なところばかりではないのはご案内のとおりでるが、そこは商業上の要請というものであろう。
それに在家者にとっては、合理的であったり科学的であったりする仏教の一部分を人生に役立てるのはけっして悪いことではなかろう。
もっとも私はそれだけではつまんないなあと思うから仏教というものをより深く学びたいと思うのであるが、豊かに生きるためにそうしたことが全ての人に必要とは思われない。
そして本書の著者は欲を満たすことが幸せにつながるのならそれもまたよしと言うのである。本人の朗読でありながら説教臭くならないのは、著者のこういった鷹揚な姿勢によるものと考えられた。けっこう元気が出る内容でもあったし、ときどき聞き直そうと思ったのであった。