サッカーと卓球男子団体戦の準決勝のこと
オリンピックも終盤にさしかかってきた。毎日、世界最高クラスのパフォーマンスが観られる夢のような日々ももうすぐおしまいだ。
一昨日のサッカー準決勝のスペイン戦は観ていてとても疲れた。
オリンピックにサッカー強豪国はスター選手を送らないものだが、スペインは金メダルを獲るためにこの極東の島国へやってきたのだ。
対する日本も自国開催ということもあって金メダルに向けてずっと準備をしてきたのだ。
予選リーグでフランスをボコり、準々決勝では苦手なフィジカルサッカーを仕掛けてきたニュージーランドを跳ね返して、日本の士気は高かった。しkし試合が始まるとスペインとの力量差は明らかであった。誰がみてもわかるように中盤でのパスワークが段違いだったし、中盤だけでなくキーパーやセンターバックからのフィードの正確さも話にならないほどスペインはすごかった。
しかし守備は負けていなかったし、久保と堂安を中心にカウンターからチャンスを作っていた。かなり押し込まれていたけど、最後の最後まで勝機を伺っていた。延長戦終了間際にアセンシオにきれいなシュートを決められて負けてしまったけど、チームとしてのがんばりとか、今までにない個々の能力の高さとか、胸に来るものがあった。
選手たちはめちゃくちゃ悔しいと思うけど、観ている者としてはなにも言うことは無い内容だった。良いものを観せてもらった。
昨日の卓球男子団体準決勝もまたとても疲れた。強豪ドイツとの対戦である。
1試合目のダブルスは惜しくも落とした。
2試合目は張本とオフチャロフのエース対決。途中から張本が覚醒して勝利。
3試合目は水谷とボルのベテラン対決だ。水谷がリスクをとって攻めたので序盤は優位に試合を進めるも、途中から打たされる感じになってミスが増えた。ボルは見事な戦術転換で勝利。ムキになって攻めなくてもよかったのかもしれないが、守っていて勝てる相手ではないので難しいところ。
4試合目はエース張本と3番手フランツィスカである。みんな張本が勝って当然と思っている、さっきはオフチャロフ倒したし。というかここで張本が勝たないと終わりだ。フランツィスカは負けてもしかたないと思っている。さらにフランツィスカは、ダブルスで1点取ってるので最低限の仕事はしているし、張本に負けても次に控えるオフチャロフが勝ってくれるだろうという気楽さがある。
こういう負けてもともと勝てばヒーローという気持ちで向かってくる相手は大変厄介で、実際2ゲーム先取されてしまった。3ゲーム目はなんとか張本らしい速攻で取り返した。
4ゲーム目はこの勢いでいけるかと思ったら負けそうで胃に穴があくかと思った。
5ゲーム目はもっとしんどかった。しっかり攻めたほうが高い確率で得点できるのはやってる選手たちにも、観ている人間にも明らかだったが、そんな単純な話ではない。攻めても得点できないことはあるし、とりあえず入れておけば相手がミスしてくれるときもある。それでも、無謀ではないが強気というバランスを保ったほうが勝つ。そうわかっていても簡単じゃない。
張本は大きな声を出して自らを鼓舞していた。必死で自分と戦っているように見えた。なんだまだ子供じゃないか。いったい私はこの18歳の少年にどんだけ過剰な期待をかけているのか。自分が18歳のときそんな立派な人間じゃなかったし、自分に負けて一浪してしまったじゃないか。だから張本が負けてもなにも言うまいと思った。しかし勝ったのでいわせてもらおう、やったぜ!
5試合目は丹羽孝希とオフチャロフ、個人戦であっさり負けている相手だ。今回は最初から全速力で丹羽卓球で楽しかったが、負けてしまった。正直言ってノーチャンスだった。
というわけでドイツに負けてしまったのだけど、張本が期待されたとおり2点とれたのは本当に良かった。もう1点とれなかったのはしょうがないかな。強いて言うならダブルスは取りたかったなあ。強いチームと戦うときはダブルスが大事になる。
サッカーも卓球も結果はついてこなかったけど、出し切って敗北したので私としては観てよかったというお気持ちだ。選手たちは悔しさもありつつ、3位決定戦に向けて気持ちを切り替えていかないし大変だな。