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#947 映画論37|TAKESHIS'
北野映画も気付けば12作目の紹介ですが、
今回は北野映画史上最も難解で、最も賛否両論が激しいと言われている名作、いや迷作と言われたの「TAKESHIS'(タケシズ)」を紹介しましょう。
公開は2005年、座頭市の2年後ですね。
座頭市という、監督歴代最もヒットした映画を作ったので「座頭市で儲かったから好きなのを作った」ということで作った本作ですが、難解すぎて客入りが非常に悪く、映画公開後たった3週間で打ち切られてしまった問題作らしいです笑
この辺がたけしらしくていいですね笑
TAKESHIS'とは?
![](https://assets.st-note.com/img/1734950796-evygWzk4GIARYQboHnV3CMJm.png?width=1200)
本作には2人のたけしが登場します。
1人は映画監督として芸能界でブイブイ言わせる「たけし」であり、我々が知っているたけしですね。こっちは特筆すべきことはないでしょう。
そしてもう1人の「北野」は金髪で、コンビニでバイトをしながら役者を目指すんですが、オーディションでも小馬鹿にされ、バイト先でも馬鹿にされ、アパートの隣人?から馬鹿にされ、ラーメンを食べに行っても店員に横柄な態度を取られて・・・と、惨めで情けない生活を送っているのですが、この北野がTV局で、たけしにサインをもらうんです。
「お前も北野って言うのか?」「俺に似てるな」
みたいな感じで、たけしが北野に声をかけて、これまで接点が無かった2人に接点が芽生えて、ここから物語が動き、ここから金髪の北野がスーパー・バイオレンス・シリアルキラーになるのですが・・・
TAKESHIS'の狂気
![](https://assets.st-note.com/img/1735013313-okAKIu3rSUx1yCfXZbdP0enL.png)
そんな感じで北野が、これまでの憂さを晴らすかの如く、これまで自分を虐げてきた人を、撃つ、撃つ、撃つ笑
そしてアパートの隣人の寺島進を撃ち、彼女だった京野ことみを自分の女にして、一緒に銀行を襲撃する様はナチュラル・ボーン・キラーズを彷彿とさせるものでした。
そんな感じのバイオレンス映画位に一転するんですが・・・そこで目が覚めるんです。
そしてまたバイオレンスに戻るんですが、次は映画監督の「カット!」が入ったり・・・
これが現実なのか、夢なのか、物語の世界なのかの境界線が曖昧で、最高に分かりにくいのがこの作品の特徴であり、魅力であり、狂気なんです笑
たけしは「100人見て7人しか分からない映画」と言っていましたが、7人もいないと思いますね笑
もうカオスな映画として、シーンの1つ1つを楽しむのがベターですね。
「みんな~やってるか!」と同じスタンスで臨むのが良いでしょう。
TAKESHIS'の印象的な登場人物 BEST10
10位 死にそうなハゲ
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北野がアルバイトをするコンビ二に、この死にそうなハゲが表れて物語は動きます。ヤクザに狙われており、北野はトイレに匿うのですが、そのハゲは拳銃を持っており、北野の目に拳銃が入りました。
9位 大杉 漣
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北野映画と言えば大杉漣ですが、本作の大杉漣は監督であるたけしのマネージャー的な立ち回りを行いつつ、金髪の北野を雀荘でカモにするタクシー運転手というカオスな2役で登場します。
8位 寺島 進
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北野映画と言えば寺島進ですが、本作では監督であるたけしと仲の良いタレントと、金髪の北野のアパートの隣人のチンピラで娼婦的な京野ことみと終始イチャイチャするカオスな2役で出てきます。
7位 岸本 加世子
![](https://assets.st-note.com/img/1734992859-0m95WwJh3TAeIdlpcbZ1RQuU.png?width=1200)
北野映画と言えば岸本加世子ですが、本作では「雀荘の女」「オーディション審査員」「コンビニの不審な客」「クラブの客」「砂浜の女」「スクリプター」「銀行の客」という7役で登場します笑
この辺から本格的に意味が分からなくなってきます笑
6位 渡辺哲
5位 石橋保
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これまた北野映画でお馴染みの渡辺哲ですが、今回はラーメン屋の頑固親父や、たけしのスタイリストという謎の配役でした。
石橋保はヤクザの二代目と、ラーメン屋の頑固親父の模倣という完全に意味不明な役どころでしたが、もうこの辺は深く考えてはいけないのでしょう笑
4位 早乙女太一
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座頭市でたけしのハートを掴み、女形の天才少年役として本人の名前で2作連続で北野映画に登場しますが・・・殆ど印象に無いです笑
3位 美輪 明宏
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そして美輪明宏も、美輪明宏役で登場します。
たけし(監督)の方に「バケモノ」と言われてましたが・・・笑
途中で自身の代表作であるヨイトマケの唄を歌うのですが、途中から展開がメチャクチャになります。
2位 京野ことみ
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本作で一番目立っていたのは京野ことみでした。
彼女は「白線流し」で存在を知りましたが、世間一般には「ショムニ」の印象が強いのではないでしょうか?ショムニでは控えめな新人役でした、が!
本作ではたけしの愛人であり、寺島進の愛人でもあるという、かなりビッチな役どころなのですが、パイオツを出したりかなりの役者魂を見せてくれます。
「こんな奇麗だっけ・・・?」と思ったものでした。
1位 北野 武
![](https://assets.st-note.com/img/1734992679-ea8ou52XNM1wdSPZVk3nQCRY.png?width=1200)
そして1人2役のたけちゃんですが、相変わらず好き放題で、共演者を殺しまくります笑
まとめ
そんな感じのTAKESHIS'評でしたが、恐らく5%も伝えられなかったと思っておりますので、興味がある方は是非チェックして欲しいですね。
おそらくほぼ理解できないと思いますが・・・笑
そんなTAKESHIS'は、僕の中でそんなに評価は高くないですが、また5年後10年後にみたら再評価できるのかも知れませんね。
次は、「監督・ばんざい!」を紹介しましょう。
これもカオスなんですが・・・笑