#318 読書論11|バトル・ロワイヤル(高見広春)
小学校、中学校時代は基本的には漫画ばかり読んで、たまに小説を読むというライフスタイルでしたが、高校に入ってから小説を多く読むようになりました。
で、高校時代に結構読みましたが、高1の頃に読んだこの小説はなかなかセンセーショナルでしたので、こちらを紹介しましょう。
バトル・ロワイアルとの出会い
初めて存在を認識したのは、高1の夏くらいでした。
クラスメイトに小太りのオタク系でありながら、THE MAD CAPSULE MARKETSとかslipknotとかを僕より早く聞くような、一目置くTちゃんという子が休み時間に読んでいたのがきっかけでした。
で、そのTちゃんが「これ、メチャクチャ面白いよ」と紹介されたんですが、その時は読まず。
で、その年の冬休み(正月)、地元に戻って地元の友達と飲んでいたんですけど、その時にも一目置いていた友人と、あとはこのnoteでも何回か紹介した僕に音楽とサッカーと漫画を教えてくれた従兄弟が「マジで面白いよ」とオススメしてくれたので、そろそろ読んでみるかと思い、本屋で買って確か21時くらいに読み始めたんですが・・・
気づいたら朝4時くらいになっていました。
それくらいメチャクチャハマって、1日で読んじゃいましたね。
そしてこの年(か次の年)に映画化したり、漫画にもなったりで、とにかく鬼流行った作品ですが、やはり小説をオススメしたいですね。
映画は詰め込みすぎていたのと、たけしが違和感でしかなかったので笑
バトル・ロワイアル あらすじ
この作品の設定・プロットは完璧だったと思うのですが、この作品の世界は準鎖国政策を行なっている、大東亜共和国(日本でしかないが日本ではない)という国で、アメリカは敵国なんです。
ただ、それ位は完全に1999年の日本なんですが、そうではない。まずこの設定が良いんです。
で、こうした敵国との有事のシミュレーションとして、年に1度?中学生の1クラス40人くらいの生徒に隔離された空間(この場合は離島)で殺し合いをさせて、最後に1人誰が残るかを見極めるという"プログラム"という恐ろしい検証を行っておりまして、主人公の七原秋也が所属するクラスがその対象になってしまったという所で、物語はスタートします。
そして、生徒にはランダムで武器が支給されるんですが、キリは「フォーク」「ブーメラン」とかで、まぁまぁ良いのが「ナイフ」「ナタ」「鎌」「手榴弾」、そして超当たりが「マシンガン」「機関銃」など。
で、その他に当たりアイテムが「レーダー探知機」で、誰がどこにいるかがわかる優れものです。
そして変わり種のアイテムが「防弾チョッキ」、更には「毒」という展開は物語を非常に面白くしました。
主人公の秋也は「殺し合いなんか辞めよう」と訴えるのですが、クラスメイトの大半は自分が生き残るためにゲームに乗り、これまで笑い合っていた仲良しクラスメイトが、憎み合って殺し合う関係性となってしまう・・・地獄の物語です。
バトル・ロワイアルの魅力
1.作り込まれたプロット
上記の「架空の全体主義国家の設定」→「尚且つ時代背景は近代である設定」→「プログラムという狂った制度があってもおかしくなさそうな空気」を演出した設定だけで十分に面白いんですけど、更にプログラムの内容がエンターテイメント性を高めるために完璧なんです。
その中でも、殺し合いに参加せずにひたすら隠れることを防ぐ「首輪」「禁止エリア」の設定が非常に秀逸。
まとめると、殺し合いをするしかないという状況に追い込んでいるところが非常に素晴らしいですね。
2.小説内での残酷表現
小説は単元(章)ごとにナンバーで整理されているんですが、その中で1つのシーンが終わった際に、【残り*人】という表示がされているのが非常に読んでいて進捗を感じられて秀逸です。
更には冒頭の出席簿と合わせて読むと、「あー、もうこれしかいないんだ・・・」とか思ってメロウになったりします。
3.メディアミックス
小説がブレイクした1年後に漫画や映画が始まった記憶があります。
漫画も僕は5巻くらいまで買っていた記憶があります。絵がいい感じにグロくて秀逸。
そして映画は・・・映画に関しては・・・・・・あまり感想は言えないですね笑
まぁ、分厚い小説を2時間で終わらせるのは無理がありました。
キャスティングは、相馬光子の柴崎コウとかは非常に良かったですね。あとは藤原竜也もまぁ良いでしょう。安藤政信の桐山も良かったし、れいわ新選組党首の川田も当時はまぁいいと思っていましたが、今は・・・泣
とにかく映画は残念でしたが、それでもバトル・ロワイアル2という作品に比べると全然まと(略)
バトル・ロワイアルで好きなキャラクターBEST10
ここからは漫画のキャラクターを引用して紹介しましょう。
(一部グロい画像しかなかったので閲覧は自己責任でお願いします!)
10位 新井田 和志
こいつは極限化で「性」にベクトルが向いてしまい、クラスで1〜2を争う美女の千草にエロティックなことを使用する最悪なキャラクターでしたが、僕は人間らしくて好きでしたね笑
実際、こういうシチュエーションだと、こうなってしまうやつもいるでしょうし、その辺がリアルでしたね。
9位 倉元 洋二
こいつも10位の新井田同様の憎めないキャラクターでした。
ヤンキー女の矢作とやりたいがために付き合いSEXをするんですが、その子と極限化で出会い、そいつを利用して殺そうとするというクソヤローで、最後は改心するですが・・・案の定制裁されます笑
8位 旗上 忠勝
こいつも憎めないキャラでした。
最後に相馬光子の色仕掛けに乗ってしまうという、「わかる、わかるぞー!」という共感できるキャラでしたね笑
で、それがきっかけで疑心暗鬼になった親友の滝口を揉めて、最後は光子にやられてしまう残念な役回りでした。
性欲は怖いですね・・・
7位 稲田 瑞穂
この子は出席番号1番で、ずっと名前が残っているので常に気になっていたんですが・・・初登場は電波にやられておかしくなっていました。まぁ、画像のプロフィールにも記載の通り、この極限状態なら致し方ないでしょうが・・・
引っ張って、引っ張って、登場してあっさり死にます笑
その辺の儚さが好きですね笑
6位 杉村 弘樹
そしてここからは主要キャラの紹介を。
杉村はこのプログラムの舞台で「惚れた女を守る」という一点だけで、ひたすらその子を探すんですが、その子に疑われて銃撃を受けてしまうという悲しい役回りでしたが、それでも信念の為に生きた漢でした。
5位 相馬光子
このチャンネーは地元でも有名な不良少女で、今回のプログラムでも早々に参戦を表明し、多くのクラスメイトたちを殺害してきました。
特技は演技と色仕掛けで、8位で紹介した旗上くんは彼女の色香にやられて結果絶命してしまいます笑
そんな感じの極悪ネーチャンでしたが、憎めないところもあるキャラクターでしたね。
4位 桐山 和雄
相馬光子同様に、プログラムに参戦を早々に表明するう不良グループのヘッド。とにかくこいつは悪かったです。
もう殺す、殺す、殺す!という感じで、作中で一番多くのクラスメイトを殺したサイコキラーでした。
とにかく感情がなく、怖い存在でしたね。
3位 七原 秋也
この漫画の主人公です。
全員がイカれたり、参戦を表明したりするクソゲームの中でも、唯一理性や良識を失わず、とにかく殺戮の無意味さを訴え続ける姿勢はさすが主人公。その慈しみの精神は素晴らしいのですが・・・
川田に出会わなければ早々にフェードアウトしていたでしょう笑
2位 三村 信史
この三村は七原と双璧を成すクラスの最上位ヒエラルキーの男で、バスケ上手い、頭いい、女にモテるというチートな男。
嫉妬に狂う10位〜8位の性欲BIG3に逆恨みで殺されても文句が言えないような完璧超人でした。
ただ、名前が「三村」ってのが、どうしてもマサカズが脳裏にチラついてしまってダメでしたね笑
1位 川田 章吾
1位は彼しかいないでしょう。
この物語の主人公と言っても過言ではありません。
腕力、知力、現実を受け入れる判断力、理解力、更には人心掌握力と全てがパーフェクト。
プログラムは彼のためにあると言っても過言ではありません。
「前大会の生き残り」というカミングアウトで、マジで点が線になり興奮した記憶がありますね。
おまけ 坂持金発
小説では「坂持金発(さかもち きんぱつ)」でしたが、恐らく色々な事情で漫画では「嘉門米美」になってます笑
で、映画版は監督の意向もあってキタノという役者になったんですが、元々は本家に出演依頼しようとしていたそうですね笑
とにかく、この坂持が相当イカれていて、かなり通好みです。
「先生、辛いけど、ナイフ投げるぞぉ〜っ?」とか、マジでイカれてますし、更にもっとイカれた発言が割と冒頭であるんですけど、それは書かないでおきましょう。マジでイカれてます笑
そんな感じである種本作のラスボス的な立ち位置の先生でした。
最後に
やっぱ書いていたら久しぶりに読みたくなりますね。
昔持っていたやつはどこかに行ってしまったので、過去にもそういう衝動に駆られてBOOK OFFで買ったのが家の本棚のどこかにあると思うので・・・ちょっと久々に読みたいですね。
あと、これが流行っていた時、日本中で「ウチのクラスでバトル・ロワイアルやったらどうなるか?」という頭悪い妄想がされたと思いますが・・
実際そういうシチュエーションになったら、三村とか杉村みたいでありたいと思うのですが・・・実際は新井田とか、旗上とか、稲田とか、性欲とか恐怖にコントロールされて恐らく死んでいくでしょう笑
もしくはこの歳になると「ウチの会社でバトル・ロワイアルやったらどうなるか?」とか考えてしまいますが、評判の悪い幹部が速攻殺されるんでしょうね笑
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