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#455 採用論17|企業がよくつく「嘘」について

以前の採用論で、面接で効果的な求職者の「嘘」の活用方法を紹介しました。

今回の記事は前回の続きになりますが、今度は企業サイドがつきがちな「嘘」について検証してみたいと思います。
やっぱ就活はキツネとタヌキの化かし合いなので、いかに敵(企業)がライヤーなのかを、本稿で参考にしていただければ幸いです。


企業はなぜ嘘をつくのか?

理由はシンプルに求職者を採用したいからで、今の会社の条件をすべて正直に言ったら求職者に良く思われないので、いい顔をするんですね。
その手法はかなり狡猾なテクニックであり、下記のようなテクを企業は使います。

  •  本当のことを言わない

  •  1を100くらいに誇張する

  •  100を1くらいに

  •  正確性に欠ける表現をする

  •  注釈で誤魔化す

とあるので、など、総称して「嘘」とまとめましたが、とにかく企業はどうしょうもなくワルです。

ちなみに、職業安定法第65 条によると、

虚偽の求人広告をなし、又は虚偽の条件を提示して職業紹介、労働者の募集を行った者には6 カ月以下の懲役または30 万円以下の罰金

との事なので、堂々と「嘘」は書かないものの、まとめると嘘とみなされても致し方ない手法で、法の目をかいくぐる感じですね。

まぁ創業者が従業員に手を出したり副社長が「死刑死刑死刑」とか言ったり、最近はニュースでも賑わっているので皆さんもご存じだと思いますが・・・とにかく企業は平気で嘘をつくと、これだけは覚えておきましょう。



企業がつく嘘 一覧

1.残業に関する嘘

残業に関する表記はすべて嘘と言っても過言ではないでしょう。
と言うよりかは、残業の平均時間だったりは出すことなんて不可能なんです。

仕事によって難易度も異なるし、相手がいる仕事であり、個人ごとに役割も違えば能力も違うし、時期的な要因もあるし、こちらのリソースの要因もある。故に、残業平均20時間と書いていたとしても、一切やらない人も、月40時間の人も、月80時間(特別条項でも年5回以上は法令違反!)の人もいるので、仮に平均が20時間だとしても何の参考にならない。

なので残業に関する記載でファクトなのは、残業代の支給要件位ですね。
1分単位で支給なのか、みなしでの支給なのか、そこだけチェックしておきましょう。


2. 昇給・昇格・賞与に関する嘘

これは、「もっともよい例を書く」ケースが多いですね。
誇張のパターンであり、本当のことを言わないパターンですね。

例えば「新卒1年目で部長就任」とか「新卒1年目で年収100万円UP」とかのアピール文があったとしても、実際のところは「新卒1年目で(2人しかいない部署の)部長就任」とか「新卒1年目で(土日休み無しで毎日深夜までサービス残業して)年収100万円UP」とかだったりするので、平気で都合の悪い()は省略するんです。

もっと言うと、本当のことを書いてるとも限らないですからね。
求人募集の記事なんてエビデンスを求められるわけではないので、嘘も書いてしまえるという世界なんですね。

そしてもっと言うと、みんながそれくらいに昇格とかできてる会社だったら、採用しなくてもまわるはずなので、採用する必要もなさそうですし笑


3. 業務内容に関する嘘

職種に関しては流石にデザイナーで募集と言って営業をやらせるとか、さすがに嘘はつけないですが、業務内容は割と嘘がつけたりします。
そもそも、求人情報と言えど企業情報で、同業他社の目につく可能性がある以上、そこまで社内の事情を出せないというエクスキューズもあったりもするのですが…
とにかく業務内容も嘘、というか確証のない情報で溢れています。

と言うのも、会社の業務内容なんて状況によって変わるので、「その時点ではそういう方針だった」という程度の、スポットの情報でしかない。
スクリーンショットでしかないんですね。

なので、「飛び込み営業は行っていません」と書いていても、「飛び込み営業も(今は)行っていません」みたいな記述となるので、まぁ話半分というか、「変わるかもしれないもの」というとらえ方が大事ですね。

後は最近で言うと「リモート詐欺」も多いようです。
リモートOKと言っておきながら、「入社3カ月は出社」みたいなこと言ったりするのもアリがちですね。


4. 福利厚生・社内イベント関連のに嘘

この辺も前述の通り、「MAXの状態」を見せたがるフシが多いので、話半分くらいできいておきましょう。
そしてこれは僕が経験で学んだ肌感ですが「部活動」はほとんどの会社で機能していない感じがしますね(ただ、それでもアピールには使うという)
あと、特異な休暇の消化率も低い気がします。
「社員旅行」の表記があったら、最後に行ったのはいつかの確認も必要ですし、他にもいろいろあります。
とにかく企業は求人票を「理想の企業の求人票」にしがちだというのは心しておきましょう。


まとめ

この辺の内情に何故私が詳しいのか―
それは、企業の求人記事作成サイドにいるからという理由なのですが、まぁこの辺は冒頭の通り「キツネとタヌキの化かし合い」なんです。
むしろ、両社が面接で思った事を言い合う世界の方がマズいでしょう。

面接官「うち、結構サービス残業ありますが、大丈夫ですか?」
求職者「その分、朝寝坊とかしても許してくれたらxzいいんですけどね・・・」
面接官「まぁその辺はみんなうまくやってると思いますよ」
求職者「土日とかにチャットとか来たりします?すげー嫌なんですけど」
面接官「・・・僕もやめた方がいいと思うんですけど、幹部は送っちゃうんですよね・・・」

みたいな笑

なので、「企業の求人情報なんて良い事しか書いてないけど、MAXで美化させたらこういう事例もあるから、俺はいい目が合うよう頑張ろう」と思うくらいのマインドセットが非常に良いのではないでしょうか!

以上!

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