ファスナーの品質保証
“品質保証”とは
“品質保証QA(Quality Assurance)”という用語をご存知ですか?この“品質保証”というのは製品・サービスが既定の「品質」を維持し、購入後も顧客の安心や満足を保証するための取り組みのことです。これは企画から始まり、原料の選別・購買、設計、製造、出荷、販売、カスタマーサービスまで、幅広い業務が関わります。これは出来上がった製品を対象とした「買い手視点」の活動とも言えます。
これに対して語感の似た “品質管理QC(Quality Control)”は、製品が購入時点で求められている要件を満たしていることを保証するものです。製造過程が活動の中心で「製造者視点」の活動と言えるかもしれません。なお“品質管理”は品質保証の枠組みの1つの要素でもあります。
ファスナー選定における“品質保証”という考え方
“ファスナー”(締結部材)も他の機械要素と同様、大きさ・材質・形状・加工方法・表面処理等、多数の要素によりその性能・コストは様々です。逆に言えば、こうした要素を選択・組み合わせることにより個々のお客様を満足させる、つまり“品質の良い”ファスナーを選択、あるいは作り上げることが出来ます。
私達Bossardは「なかなか欲しいネジが見つからない」というお客様のご相談にお答えして、膨大な種類の既成品ファスナーの中から適した製品を探す、あるいは、既製品への一部加工や特殊品を製造する事でご満足いただけるファスナーをご提案させていただいています。
これから品質保証の観点で私達のファスナー選定方法をご紹介いたします。
ファスナーの基本ルール
ファスナーの基本的なルールは
です。
これらの原則を基に特定の製品向けに“品質保証”のなされたファスナーをお客様に推奨する為に、私たちのチームが考慮に入れるさまざまな要件があります。以下順に見てゆきましょう。
ファスナー選定の要件
―製品の平均寿命―
最初の要素は、それが使用される製品の平均寿命です。 接合方法としてファスナー接合が溶接や接着よりも優れている点の一つは、必要な時には製品へのダメージを与えずに分解・再組立てが出来ることです。しかしファスナーそのものが弱点となり、その交換のために分解・再組立てを繰り返していては生産性が落ちてしまいます。ですからファスナーに製品寿命と同じ耐久性があることはとても重要です。
―仕上げの要件―
次に、仕上げの要件を検討します。つまり、ファスナー自身に腐食の要因がないか? 接合部は腐食性の環境にさらされていないか?求められる強度は?ファスナーは何に耐えなければならない?許容されるコストは?等です。極端な環境温度も材料選びの重要な要素です。こうした要件情報と対処についての知識が多ければ多いほど、形状・材質・加工方法・表面処理の適切な提案ができる立場にあります。
例えば防錆(ぼうせい)・防食には、腐食抑制剤や表面処理、電気防食の利用などが有効です。使用環境に適した材料選択は腐食因子の除去の為に有効ですので綿密に検討します。
―リスクの検討―
品質保証に関しては、リスクも非常に重要な評価要素です。接合部ファスナーが破損した場合のリスクはどうでしょうか?接合部の不具合は、風力発電用巨大風車の倒壊、橋梁の崩壊、さらには飛行機の墜落に至るまで、重大事故の原因となる可能性があります。ボサードはさまざまなお客様にサービスを提供しています。ファスナーは安全、生命にも影響する重要な部品です。最悪のシナリオを想定することは、リスクを回避し安心・安全のために必要なことです。
―品質管理の徹底―
求められている品質の“ファスナー”をお客様へご提案する際に“品質管理(Quality Control)”は当然ながら非常に重要な要素です。 私たちは「品質はメーカーレベルで決まる」と信じています。ファスナーを入手または外部委託する前に、ファスナーを製造するメーカーに期待する品質を定義します。それは認証・管理された原材料、製造工程の説明、ロットのトレーサビリティ、そして工程内の管理と最終検査です。 どんな経路で届いたか、どのように使用されるかに関わらず、高品質のファスナーを一貫してお客様にご提供できるよう努めております。
―お客様とのコミュニケーション―
そして私たちボサードはお客様とのコミュニケーションが、生産性を高める高品質な製品を提供するために何よりも重要であると考えます。私たちは品質要件をお客様の成功のために定めています。そのためファスナーご提案の際は、お客様にヒアリングを行い、お客様に最適なファスナーをご提案することを心掛けています。
ファスナーの品質保証の詳細は、どうぞボサードまでお気軽にお問い合わせください。
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