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「人が輝く製造現場へ」。締結部品や、電子ラベル付き重量センサー在庫管理システム「SmartBin」、テクノロジーエキスパートが製造現場の最適化を提案いたします。https://www.bossard.co.jp/

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  • ねじの話ー技術編

    ファスナーに使われている技術や品質など、締結部品の選択に役立つ情報をまとめました。

  • ねじの話ー使い方編

    ねじを使うユーザーが知って得する知識をまとめました。

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    在庫管理で収益を上げる考え方をまとめています。

最近の記事

ねじの話 ファスナー材料 金属 第五回 ステンレス鋼

私たちの身近で広く使用されているステンレス鋼も「鉄」に炭素や合金元素を添加した「合金鋼」の一種です。 ねじの話 ファスナー材料 金属  第一回 金属とは 第二回 鉄鋼金属 第三回 炭素鋼 第四回 合金鋼 第五回 ステンレス鋼 ステンレス鋼ステンレス鋼(Stainless Steel)は、主に鉄(Fe)を基本成分として、クロム(Cr)などの合金元素を添加した合金です。 国際的な定義に基づき、JIS G 0203:2009でステンレス鋼は「クロム含有量を10.5 % 以上、

    • ねじの話 「ファスナー材料 金属 第四回 合金鋼」

      第四回は「合金鋼」に注目します。添加される合金元素によって、炭素鋼の機械特性を高めコントロールします。 ねじの話 ファスナー材料 金属  第一回 金属とは 第二回 鉄鋼金属 第三回 炭素鋼 第四回 合金鋼 第五回 ステンレス鋼 合金鋼合金鋼(ごうきんこう)は、鉄に主要な合金元素を添加して作られる鋼の一種です。添加される合金元素が鋼の特性を向上させます。合金鋼には、ステンレス鋼やクロムモリブデン鋼(耐熱鋼)、高張力鋼(ハイテン)などがあり、幅広い産業分野で使用されてい

      • ねじの話「ファスナー材料 金属 第三回 炭素鋼」

        今回はファスナーにも用いられる金属材料の「炭素鋼」に注目します。 ねじの話 ファスナー材料 金属  第一回 金属とは 第二回 鉄鋼金属 第三回 炭素鋼 第四回 合金鋼 第五回 ステンレス鋼 炭素鋼 炭素鋼(carbon steel)とは、鉄と炭素の合金である鋼の一種で、炭素以外の含有元素の量が合金鋼に分類されない量以下の鋼です。加工が容易で廉価なので一般的によく使われる鉄鋼材料です。 炭素鋼は、炭素の含有量が多くなるほど、引張強さや硬度が増加します。一方で、靭性が

        • ねじの話「ファスナー材料 金属 第二回 鉄鋼金属」

          今回は私たちの生活に深くかかわる「鉄」に焦点を当ててみます。 ねじの話 ファスナー材料 金属  第一回 金属とは 第二回 鉄鋼金属 第三回 炭素鋼 第四回 合金鋼 第五回 ステンレス鋼 「鉄(iron)」 概要鉄(iron 元素記号はFe)は地球の地殻に豊富に存在し、我々の日常生活において非常に重要な金属で、純粋な鉄(iron)は白い金属光沢を放つ金属元素のひとつで、遷移元素と分類され原子番号26の元素です。室温付近での密度は7.87 g/㎤、融点は1536°C、沸点は2

        ねじの話 ファスナー材料 金属 第五回 ステンレス鋼

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          ねじの話「ファスナー材料 金属 第一回 金属とは?」

          「金属」は幅広く利用されている物質で、ボルト・ナット等のファスナーにおける主な素材です。では、「金属とはどんな物質?」と尋ねられると、もやっ、としてしまうかもしれません。今回の「ねじの話」は、ファスナーによく使われる鉄鋼金属を中心に金属を取り上げます。初めに「金属」とはどんなものか考えてみたいと思います。 ねじの話 ファスナー材料 金属  第一回 金属とは 第二回 鉄鋼金属 第三回 炭素鋼 第四回 合金鋼 第五回 ステンレス鋼 金属とは 「金属」は、一般に

          ねじの話「ファスナー材料 金属 第一回 金属とは?」

          ファスナー選択の盲点

          メーカーや設計者の盲点となりがちなのがファスナー(締結部品)の選択です。例えば自動車生産においてファスナーなどの製造副資材品はCパーツと分類されます。それに対してAパーツは車体やパワートレインなどの基幹部品、Bパーツはメカニカル部品や制御部品です。このCパーツという名称からも、その優先順位の低さがうかがえます。 ボルト、ナット、スレッド、ワッシャー、アンカー、リベットetc. こうした締結部品全般がファスナーと呼はれています。どのファスナーも2つ以上の部品、材料、またはオブ

          ファスナー選択の盲点

          ねじの話 「タッピンねじ3」 タッピンねじの形状とその用途(附属書品)

          ねじの話 「タッピンねじ」 1 タッピンねじとは 2 タッピンねじは なぜセルフタッピングができるの? 3 タッピンねじの形状とその用途(附属書品) 日本国内で流通している「タッピンねじ」は圧倒的に附属書品です。今回は附属書品のタッピンねじの形状や用途、そしてよく似ているねじのいくつかを取り上げてみます。 タッピンねじ 形状と用途(附属書品)1種タッピン(Aタッピン) 〔形状〕1種タッピンねじは、先端部まで尖っており、また、先端までねじ山が立っています。1種はタッピンね

          ねじの話 「タッピンねじ3」 タッピンねじの形状とその用途(附属書品)

          ねじの話 「タッピンねじ2」 タッピンねじは なぜセルフタッピングができるの?

          タッピンねじがセルフタッピングできるのは、ねじ表面が熱処理によって相手材より硬いからです。 タッピンねじはなぜセルフタッピングできる?タッピンねじは、なぜセルフタッピングできるのでしょうか?それは、タッピンねじの表面が鋼板や鋳物等に負けない硬さを持っているからです。この硬さによって、相手材に圧力を加えて塑性変形させ、ねじ立てることができます。ただし、ねじ全体が過度に硬くなると、金属の優れた「靭性(じんせい 粘り強さ)」を失い、せん断力によって簡単に折れたり、ねじ締めの際に頭

          ねじの話 「タッピンねじ2」 タッピンねじは なぜセルフタッピングができるの?

          ねじの話 「タッピンねじ1」 タッピンねじとは

          締結ソリューションを探す際に、一般的に選ばれるファスナーにセルフタッピングねじ(Self-tapping screw)があります。セルフタッピングねじは価格を見ると少々高いと感じるかもしれませんが、時間と人件費を削減し、穴あけと固定の手順の組み合わせの自由度を上げるのに役立ち、トータルコストでは非常に有利に働きます。ではセルフタッピングねじとは何ですか? セルフタッピングねじ・タッピンねじとは?セルフタッピングねじは、木材、プラスチック、金属にねじ込み、ねじ自体がタップ加工

          ねじの話 「タッピンねじ1」 タッピンねじとは

          製造性・組立て性を考慮した設計《DfMA》において、ファスナー選択を最優先することの重要性

          ファスナーの選択を最優先することは、高質な製品を最適なコストで生産し市場に供給するための『製造性・組立て性を考慮した設計《“DfMA” Design for Manufacturing and Assembly》』の成功に欠かせません。 用途に最適なファスナーを選択するのは難しい用途に最適なファスナーを選択するのは難しい場合があります。また、すべてのファスナーが同じように製作されているわけではありません。それで、ファスナーの設計・仕上げ・材料の適正な選択は、品質の高い製品

          製造性・組立て性を考慮した設計《DfMA》において、ファスナー選択を最優先することの重要性

          ファスナーの持続可能性における役割

          ファスナーの選択の仕方は、持続可能な未来に向けて大きく貢献するファクターとなり得ます。そのためには環境に優しく耐久性のある素材で作られたファスナーを選択し、分解とリサイクル可能性を優先し、賢明な調達計画を立てます。 産業の持続可能性とファスナー2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された、持続可能な開発目標“SDGs(Sustainable Development Goals)”。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。それ以来、国際社会は

          ファスナーの持続可能性における役割

          ボルト破損の6つの原因とその予防策

          アプリケーション中のファスナーを破損させないために、主なボルト破損の原因6つとその対策をお話しします。 ボルト破損の6つの原因とその対策アプリケーションのファスナー設計には、接合部を完全に分析する必要があります。発生する可能性のある障害の種類を理解することは、この分析に役立ちます。ボルトの破損を防ぐ方法についてご説明いたします。 過負荷(ストレッチ 延性破壊) ファスナーは引張強さを超えた大きな力を受けると、大きな塑性変形が起こり、ついには破断します。この時、引張荷重は

          ボルト破損の6つの原因とその予防策

          ファスナーのコーティング

          ファスナーのコーティングを決定する際に考慮すべき要素と、お勧めのコーティングを紹介します。 ファスナーのコーティングとはファスナー(締結部材)の仕上げまたはコーティングは装飾のため、また防錆・防食や耐摩耗性等を高めてファスナーを製品寿命まで保たせるために実施します。 考慮すべき要素適切なファスナーのコーティング(仕上げ)を決めるには次の要素を考慮します。 安全性 ファスナーの不適切な仕上げはファスナーを破損する場合があります。よく知られた危険は「水素脆化(遅れ破

          ファスナーのコーティング

          SFLブログ   正しい在庫の回転とは?

          こんにちは、ボサード大阪の村本です。 今日は在庫の回転について少しお話させてもらいたいと思います。 在庫の回転は、在庫を抱えている全ての企業にとって大きなトピックで、重要なイシューだと思います。 在庫の回転率が高い   ⇒ 在庫の仕入れた商品が売り上げに変わるまでの間隔が短い 在庫の回転率が低い   ⇒ 在庫の仕入れた商品が売り上げに変わるまでの間隔が長い 当然ですが、在庫の回転率が高い方が望ましいといえます。 業種や考え方にもよりますが、一般的には在庫は多すぎない

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          ファスナーと熱処理

          ファスナーに求められる性能を満たすための選択肢の一つに「熱処理」があります。今回はこの「熱処理」とその周辺技術についてご一緒に学びましょう。 熱処理とは熱処理とは、金属に加熱と冷却を加えることで、強さ、硬さ、粘さ、耐衝撃性、耐摩耗性等といった材料の機械的性質を変える(整える)処理のことです。 JIS G 0201 鉄鋼用語(熱処理)は鉄鋼への熱処理を 「固体の鉄鋼製品が全体として又は部分的に熱サイクルにさらされ、その性質及び/又は組織に変化をきたすような一連の操作。※鉄

          ファスナーと熱処理

          ステンレス鋼ファスナーの「かじり」対策

          ねじ締結の際の「かじり」は大きなトラブルに繋がることがあります。今回は「かじり」やすいステンレス鋼製ファスナーのその理由と防止策についてお話します。 「かじり」って?ねじ締めをしていてリセス(ねじ頭にある十字や六角の駆動溝)を破損してしまうこと「なめる」と言うのをご存じの方は多いと思います。では「かじり」はいかがですか? 例えばステンレスのボルトやナットをインパクトレンチなどで急激に締め付けると、おねじとめねじが密着し動かなくなることがあります。この現象が「かじり」です。

          ステンレス鋼ファスナーの「かじり」対策