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衣替え

 学校にとって地味な行事ではありますが、10月1日は、衣替えです。夏服から冬服に移行します。季節の変わり目ですので、多くの学校では、前後に若干の余裕をもたせていると思います。

 本校では、子どもたちにとって、夏服でいられる9月、それも最終週や最終日は、3年生にとって一大イベントです。そこらじゅうで、友だちや気の合う仲間で、記念写真を撮ります。

最後の夏服2

 3年生にとっては、最後の夏服。思い出がしみ込んでいる制服。笑顔が全てを物語っています。この学年は、修学旅行に行くことが叶いませんでした。インターハイも総合文化祭も通常どうりに行かず、悔しい思いをしています。新型コロナウイルスの脅威にさらされながら、各自が自分の命を守ることが、誰かほかの人の命を守ることにつながるし、医療従事者を助けることにつながるはずと、行動も自粛、感染症対策も、毎日の検温、倦怠感やかぜの症状の有無など健康観察、登校後及び何かを行う前後の手指の消毒、マスクの着用と、当たり前のことを当たり前に行ってくれています。その結果、今のところ、クラスター化は発生しておりません。罹患者もいない状況です。それだけに、いじらしく感じます。

 子どもたちには、個々の人が他者を思い、考えて自主的行動するという行為こそ、民主主義の根幹であり、まさに、個々の人のモラルが問われていると伝えています。ただし、自分たちが守っているのだからと、自分たちの行為を押し付けるという同調圧力は、どんなに崇高な目的があっても、民主主義とは言えないし、その延長線上に、いじめがあり、さらにその先に、お互いを正義と言い張る戦争があると伝えています。

 おそらく、戦時中も女学生の屈託のない笑顔があったはずです。この笑顔が永遠につづくために、教育があるのだと思います。

 様々な教育が、学校現場に求められています。これまで経験したことがない脱工業化の社会、様々な資質能力が求められる社会、混沌を極めるからこそ、一つ一つ対応するのではなく、うまくその波に乗る。この子たちなら、それができると信じています。だからこそ、一番大切な、民主主義を堅持することを私たち教師は伝えるべきでしょう。3年生は、学校選抜型入試、総合選抜型入試など、様々な入試がスタートします。ここから本格的な受験モードに突入です。

 何のために学ぶのか。自分の学びが誰かのお役に立つということを考え、受験勉強を単なる大学合格への学びはとせずに、自分の基礎を固める学びととらえ挑戦してほしい。それが、民主主義の堅持につながると信じます。

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