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【最終盤、前を向けるのか】ユヴェントス0-1インテル レビュー

スタメンとフォーメーション

ホームチーム・ユヴェントスはリーグ戦は昨年の11月以降無敗と尻上がりに調子を上げてきている。
リーグ戦も4連勝中と、シーズン開始当初からは途轍もない巻き返しを見せているが、そこまであまり評価をされていないのはここ数年のユーヴェの絶対的な強さによるイメージが影響しているんだろう。

またそれに付随して言えるのはCLの16での敗退が影響しているのもあるんだろう。ビジャレアルに対し、1stLegはAGを奪う1-1も、ホームでまさかの0-3。ビジャレアルも昨季のEL王者であり、間違いなく強いチームではあるが、クラブの規模等を考慮すればダメージが残る敗戦となった。

リーグでは上記の好調ぶりもあり、大逆転優勝の可能性も出てきた。残るはリーグのみとなり全集中できる体勢。臨むメンバーは契約問題で話題のディバラがトップ下、左ワイドにモラタ、右ワイドにクアドラード、最前線にこの冬加入したブラホヴィッチが入る[4-2-3-1]で挑んだ。


一方アウェイチーム・インテルはここ数試合足踏み状態となっている。
1月までは順調に勝ち点を積み上げていた昨年王者は、2月からはリーグ7試合中2勝のみと急失速した。欧州の舞台ではベスト16でリヴァプールにトータルスコアで敗れ敗退となった。

目に見える問題は得点力。一時期は4試合連続ノーゴールと得点力を欠いた。リーグ連覇のためにもこの試合は久々の勝ち点3が欲しいところ。
メンバーではブロゾビッチが復帰、最前線はラウタロ・ジェコの2トップを採用した。フォーメーションはS・インザーギ定番の[3-5-2]。

スタメンとフォーメーション

シンプルのユーヴェ、拘りのインテル

序盤からダービーらしい激しい展開となり、開始2分にして50/50のボールにラウタロが足を上げロカテッリの顔に入り、イエローカードを貰った。

試合はインテルがボールを握る展開となった。
インテルのビルドアップは最後方から3CB +ブロゾビッチの4枚からの前進である。もはやシモーネ・インテルの定番とも言える形である。
対してユーヴェは前4枚で数的同数にディバラがブロゾビッチに、両ワイドが同サイドのCBに、ブラホビッチがシュクルニアルへアプローチをかけた。
インテルはこのユーヴェのハメに対し、ボールをうまく運べずに相手ゴールに迫ることができなかった。

9分のインテルのボール保持。
ユーヴェの前4枚がマンマーク気味に当てはめ、結局バストーニからペリシッチ、ダニーロのプレスが掛かりダイレクトで出したパスはミスパスとなり、ユーヴェが回収した。


対するユーヴェのビルドアップのスタートは4バックからスタート。ペリシッチ・ダンブリーズはSBまで出て行くと背中の相手がいる為前に行けず、後ろの4枚はストレスなく回すことができた。

ユーヴェのこの試合の攻撃のポイントはクアドラードとバストーニのスピード勝負。ダニーロまで回ったところで、オーバーロードしたディバラがペリシッチを留め、ロングボールでバストーニの背後を狙うシンプルな前進な方法であった。

27分のユーヴェの前進。後ろ数的優位で回せる。
ダニーロに渡ったところからディバラがオーバーロードしペリシッチを止め、クアドラードとバストーニで勝負させ結果勝ち、チャンスに持ち込んだ。

ボールを握るのはインテル。けどシュートまで持ち込むのはユーヴェ。結果前半はユーヴェシュート14本、インテル3本という結果になった。


前半終了間際にダンブリーズが倒されインテルがPKを得る。
チャルハノールがキッカーを務めたがシュチェスニがストップ。こぼれたところにチャルハノールが詰めスクランブルがありボールはゴールへ。
チャルハノールのファールがあり、得点は認められないかと思ったが、PKの時点でユーヴェの選手がキック前にラインの中に入り、蹴り直しになった。
この蹴り直しとなったPKを2度目の正直でチャルハノールが決め、インテルがリードし、前半を終えた。

ユーヴェの問題は前4枚の後のミドルプレスである。
この前4枚を越えるとラビオ・ロカテッリ(前半途中からザカリア)+最終ラインのみとなる為、ボールが3CB +ブロゾビッチを越えるとインテルは楽に、特にバレッラから前に行くことができた。
ラビオ・モラタの働きもあり、止められることも多かったのがシュート3本という結果になった。


スコアに反映させるために

シュートは打つも、ビハインドで前半を終えたユーヴェ。後半は点を取りに行くユーヴェ、守るインテルという構図でスタートした。

インテルの修正としては、ビルドアップ時にハンダノビッチも含め、CB(シュクリニアル-ダンブロージオ間)を広げ、ユーヴェの前4枚を遠くさせるのが一つ。
もう一つはユーヴェの保持に対し守備ラインを下げること。
ラインを下げ最終ラインの裏を抜けるパスをなくす。この修正により、後半の最初の15分はおとなしい展開となった。

後半73分、ユーヴェはサンドロ→デ・シリオ、モラタ→キーンを投入。この投入の後、システムを4-2-3-1からキーン・ブラホビッチの2トップ、ダニーロ・デリフト・キエッリーニの3CBの[3-4-1-2]に変更した。
ビルドアップにはラビオが参加し、キエッリーニが相手の中盤の脇から侵入し、最前線に付けゴール前への侵入を試みた。

75分のユーヴェのボール保持。
3バックになってからはキエッリーニから前進がメインになったが、インテルのコンパクトな5-3-2の前に、ペナルティエリアでの決定機はほぼなかった。

が、インテルは時間の経過につれ最終ラインの立ち位置をどんどん下げていく。最後の20分間は完全な[5-3-2]となり、撤退する形となった。

後半ユーヴェは押し込み、シュートは計22本放ったが、決定機という決定機は試合を通じ前半のキエッリーニのヘディング、後半のザカリアのミドルシュートと、枠を叩いた2つに終わった。0-1、インテルは押し込まれるも大きな白星をアウェイで手にした。


感想

勝ったインテルはこれで首位ミランと、一試合消化が少ない段階で4ポイント差になった。
勝ちはしたものの、お祭り騒ぎできるか?というとそうではないダービーでの勝利だっただろう。まだ攻撃面で悩みを解消できたとは全く言えない結果であった。
ただ後半の現実的な戦い方にシフトし、3ポイントを取ったというのはコンテ政権の賜物のように感じた。
ここから連覇に向け勢いづく勝利としたい。

敗れたユーヴェは間違いなく悪い出来ではなかった。よかった。ビジャレアルに敗れ、疑心暗鬼になっていた自信もある程度戻ったんじゃないかというくらいポジティブな内容であったはずだ。
が、この敗戦でおそらく優勝は厳しいものになった。目標はTOP4へシフトしていくに違いない。
メンバーはブラホビッチはじめ若手も多くいて伸び代はあるだろう。シーズン終了後、是非ポジティブな結果になっていて欲しい。


最後に

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