森と生物とエネルギーとの関係【イノシシを撃たないで!】というあなたへ
結論を先に書きます。
森を育てましょう! 森を!
山に果実のなる植物を植えてきてください!そして豊かな山を育てていきましょう!
これは浮世絵です。山を見てください。禿(はげ)山になっていますね。
江戸時代以前の日本の山々について、青々とした山だったとイメージしていませんか?
江戸時代以前には石炭で煮炊きはしていません。
煮炊きする熱源は、枯れ枝や木炭です。
桃太郎ではおじいさんは山へ柴刈りに行きます。
芝刈りではありません。
柴とは(山野に自生する小さい雑木。また、薪や垣にするために使う整えた材木)です。
柴はよく燃えて扱いやすいのです。
現代を生きる私たちは忘れがちですが、
化石燃料を使う前、木材を燃料として使用していました。
お米を炊くのも…
暖をとるのも…
お風呂を沸かすのも…
全て木材が使われていたのです。
柴が必要なのは、ガスも電気も石炭も灯油もないからです。
それを数百年続けると山はどうなるのか考えてみてください。
そう、禿(はげ)山になるのです。
動物の生活はどうなるのでしょうか?
住処を無くし、食料も無くし、さぞ苦しい思いをしたことでしょう。。。
古来から人間と動物は共存してきました。
当然、生息圏には境目があります。
里山は近代開発で出来たものではありません。
人の手が入った山林は、そうした人と山との緩衝地帯として機能してきました。
しかし林業が廃れて「放置山林」が増えることで、逆に動物の活動圏が里山まで含めるようになり、「かわいそう」という保護政策や猟師が居なくなり脅威がなくなった動物が平気な顔して村へ出てくるようになっています。
人の手が入っていない山林は、森を貧しくしています。
そして、山は数年サイクルで豊作と不作を繰り返すようです。
豊作の年に動物は増えます。
当然不作の年には山からあぶれたモノが外に出てきます。
私の実家は農家です。大切に育てたもち米や作物をイノシシに食べられました。
このようなことはあちこちで散見するようになりました。
人が熊に襲われて、猟師が狙撃したことを責めたりするコメントを見たこともあります。
熊は人間が走れない森の中を60km/h位で走れます。
体重80〜200kg程はあり、人間の数倍の腕力を持ち、鉄を引裂く強度の爪を持ちます。
その上木にも高速で登ります。その脅威がわからないない人が多いです。
言葉で指示をしてもわかりません。
また、麻酔銃で撃ってから山に返せばいいという意見を見たことがあります。
誰がどのように返すのでしょうか?
逃された動物は人間を恐れず繰り返すものもいます。(感謝するものはわずか)
人間を怖いものだと思わなくなった動物が里山へ出てきて村や畑を荒らし、乳幼児や年寄りを襲ってきます。
私たちの生活に対して悪いことをしたら罰する。
共存する努力をするということは、場当たり的な解決ではなく、大所高所から眺めることが大切です。「かわいそう」などと、格下扱いしない事が大切だと思います。
1000年以上前から森の大切さを知っている賢者は、植林をしていました。ただ、極々わずか。江戸時代までの殆どの人は木材を消費する側でした。
明治以降、大規模な植林事業を進めました。これはとても良いことでした。感謝です。
ただし、エネルギーは石炭や石油などに変わりました。その便利さからか、人口は急激に増えました。
すると今度は大量の人間の住まい方のために森を壊すようになったのです。
ゴルフ場も森林まで広げ始めたのです。
東京は元々、山や谷でした。
特に西側は山や谷でした。
代官山
山です。
渋谷、四ツ谷は谷です。
疑問に思いませんか?地名。
都会暮らしの人間は動物の住処を壊してきたのです。
現在、山の側で生活している方々に「イノシシやシカやクマを撃たないで!」と言わないでいただきたいです。
高齢になり山に行けなくなってきているのです。
是非、都会に住むみなさん。
「イノシシやシカやクマを撃たないで!」と思うみなさん_
山や森を育ててください!果実のなる木を植えてください!人と山との緩衝地帯をを作ってください!
山や森が育つと、土からゆっくりと水が滲み出てきます。
集まって川になります。
微生物、植物、菌、動物などが生きることができるようになります。
山の様々な養分が水とともに流れて、海に辿りつきます。
養分の多い川の河口付近は魚などが多くなります。
すると魚介類の食事も豊かになります。
山は文化の源流、海は文明の母なのです。
林野庁、林業関係者の皆様はとても努力しています。感謝いたします。
孫、曾孫の代を考え、山を森を育てていきましょう。
木材は輸入できますが、森は輸入できないのです。
PS
森林の中に造ったゴルフ場でゴルフを楽しむみなさん。お返しの人生ですよ。
動物がかわいそうなら、禿(はげ)山を作らないで!!
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