スキルマップから見るEMの多様性
スキルマップというものをご存知でしょうか。「スキ・キライ」の軸と「とくい・にがて」の軸から構成される2次元4象限の図に対して、自分が思いついたスキルをマッピングしていくことで、自身が意識している得意不得意を明らかにするフレームワークです。私は現職で知りまして、自分自身のスキルの整理に役立てています。
思い返すと、2023年初回のnote全体会(全従業員が参加する週に一度の会議)でCDOの宇野さんが紹介してくださって、その後自分でやってみたので、強く記憶に残っています。
私と同じくnoteでEMを務められている福井さんが昨日記事にされていた通り、今月からnoteの開発組織に「エンジニアリング支援室」というチームが組成され、私もメンバーとして参加しています。
福井さんや私をはじめ、個性豊かな5名で開始したこのチーム。DevRelに挑戦したり、プロダクトマネジメントに進出したり、あるいはDevOps領域で活躍したり・・・本当に多彩です。
先日、チーム一同揃いスキルマップの作成会を実施しましたので、こちらでお披露目します。
※この記事は、下記のアドベントカレンダーに登録されています。
スキルマップ作成の目的
自らのスキルと向き合うことで、得意不得意を明らかにする
スキルの自己開示を通じて、メンバー同士の相互理解を深める
不得意領域を補完しあえるようなチームづくりを開始できるようにする
スキルマップの開示
@megayaさん
技術広報
自己評価:
他社との交流、広報なら積極的にやらないと行けないが、今までやれてこなかった。実は苦手
面接・面談はインタビューに近くて、人を掘り下げていくのは楽しい
立ち回りとしてファシリテーターを何度か経験しているが、結構スキ
ディスカッション:
Q: 執筆がスキとキライの中間くらいなのは意外
A: 執筆は終わったら達成感があるが、途中は生みの苦しみがある。開発とちょっと似ている
Q: 執筆より開発のほうが楽しい?
A: 開発を業務でほぼ担当しなくなったので、あまり責任感がないので楽しい、というのはあるかも
Q: イベント企画得意そうなイメージあった
A: 経験値がまだ足りていない
@gendosuさん
DevOps, Stability, EM
自己評価:
自覚があるが飽きっぽく、広く浅くが得意
10年近くブログをやっているが、執筆はあまりうまくならない
チームマネジメントなどに難しさを感じる
ディスカッション:
Q: 知識の引き出し?具体的にどんなシーンを指している?
A: 雑談や会議など全般的に。あまり深く掘り下げることをしないので、ディープな領域の会話が始まるとついていけない
Q: ノーコードが出てくるのがgenさんらしい
A: 最近bubbleが気になっている
Q: AIプロンプトがスキルマップに出てくるのは2023年ならでは感ある
極めたいと思っているが、まだ途上
@snjsskさん
Webエンジニア, チームリード, EM
自己評価:
スキルの棚卸し、改めて考えると難しいと思った
チームの課題を見ているとEMのキャリアもありだと思っていた
ピープルマネジメント、何をどう話せばよいかわからないときがある
ディスカッション:
Q: 雑談力?
A: チームリーダーになって人と話す機会が増えた。アイスブレイクが難しい
相手が楽しく話してくれるかどうかを意識 by @fukuiretu
Q: 会社に詳しくなるとは?
リーダーやEMになると説明機会が増えるが、数字周りがまだ理解できていない
@fukuiretuさん
マネジメント全般, EM
自己評価:
元々野球をやっていて、自分がホームランを打つより、チームが結果的に勝つ方が良いと考えるスタンス
過去を振り返ると、親身になって話を聞いたり、ピープルマネジメントは結構やってきた
一方、(下記記載の)海野と同様に、働きかけ(権限移譲)はとてもむずかしい
ディスカッション:
Q: 戦略とは?
事業と組織両方。つまり経営に近い話。
どうやったら良いかを上長に相談したら「慣れ」と返ってきたw
Q: 権限委譲・・・難しいですね
A: 期初から兼任が多いことに難しさを感じている。細かな点は見づらい。一人でできる部分が限られてきたので引き継がないとだなぁ
@boscoworks
採用・育成, EM
自己評価:
採用は、5年やっているので、今更苦手と言い出せない。やるしかない
目標・評価・フィードバックは、年始に比べて苦手に振った。難しかった
過去を振り返ると、同僚への働きかけがめちゃくちゃ苦手だった
ディスカッション:
Q: フィードバックが苦手なイメージなかったが?
A: 普段チームの外から俯瞰してサポートしているので、芯を食っているかどうかが不安
Q: EM育成とは
A: EMになりたいと思った人、あるいはEMがやっている業務を推進してくれる人を支えること
チームの特徴
相互補完が期待できそう(得意・不得意がそれぞれ在籍)
チームビルディング
他社との交流
どんな相手(ステークホルダー)でも対話して物事を前進させる
チーム全体で苦手としている (比較的キライ・苦手が多い)
会社の数字
論理的思考・言語化
プロジェクトマネジメント
挑戦に意欲的(苦手だがスキが多い)
プロンプトエンジニアリング
情報発信・執筆
スキルの多様性=キャリアの多様性
エンジニアリング支援室には、今期からEMとしての挑戦を始めたメンバーを含め4名のEMが在籍しています。出発点は同じエンジニアですが、様々な経験を積み重ね、得意不得意ありながらEMという通過点にたどり着き、同じチームに所属することになっています。
ここで今一度、EMスキルの原点であるエンジニアリングマネジメントトライアングルを振り返ると、実に多種多様な業務内容が定義されていて、5年もEMを務めていても私自身がカバーできる領域が限定的だというのがよくわかります。
限定的なのにはいくつか理由が考えられます。
得意領域を意識的に選択した
経験がない不得意領域に挑戦する機会がなかった
自分の不得意領域に無自覚だった
今回のスキルマップ作成会を通じて、複数名のEMが同時にスキルを棚卸ししたことで、同じEMであっても得意不得意が明確に違うことがわかりました。(網羅的にエンジニア組織の課題を改善したいという思いで人選されたとのことなので、それはそうなんでしょうけど)
EMのスキル習得の阻害要因
今までと違う業務に挑戦したいとなれば、その領域が得意な人物の横で小さく始めるのが効率的です。それはEMにとっても同じことです。
一方で、組織内でEMが複数名いることも、そして一箇所に集うことも、そう多くはないと感じます。社内でEMのイメージが属人性の高いものになったり、EMの業務がSPoFになったり、あるいはEMになったら仕事がある意味固定化してしまったり、そういった問題の原因は、EM人口が少なかったり散在していたりすることに起因している部分はありそうです。エンジニアリング支援室には、EM育成のポテンシャルも感じています。
筆者の2023年を振り返る
2023年は、過去に未経験で、今まで想定していなかった業務にも少しずつ挑戦が出来ました。
品質管理業務、及びプロジェクトマネジメント
Webアプリケーションのリリース作業
社内外からの問い合わせの交通整理
一方で、任せて頂ける業務が増えるに連れ、私自身がSPoF化してきているのを痛感しています。人は過ちを繰り返すものですね・・・。エンジニアリング支援室は、SPoF化を可視化しやすくすると同時に、気軽に冗長化できるようなチームにしていけたらと思っています。
最後に
この手の記事だともはや鉄板ですが、We are hiring!でして、転職をご検討中の方や、ぼんやりとキャリアに悩みがある方に、まずはnoteのアドベントカレンダーを読んで頂けたらと思っています。個性的な記事が多いですよね。手前味噌と言われてしまうかもしれませんが、毎日楽しく読んでいます。残りもあと3日です。
https://qiita.com/advent-calendar/2023/note
そしてご興味を持ってくださった方、ありがとうございます。お気軽にお話させてください。お好みのSNSにて、お気軽にご連絡ください。
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