ちはるん卍マックスボンボンハイパーボルシチうまうまおちっちbaseballをお見舞いしてやる! 略してボルシチっち(仮)
はじめまして。
貴方は◯人目の訪問者です
紙袋から溢れ出したみかんを片手に拾い空を見上げた時、仕方なく僕は泣きました。
なぜなら昨日の夜作ったスープも汚いビルの屋上で作られた家庭菜園のラディッシュも、「しがないビジネスマン」の昼食プレートにのることはないからです。滑り出したフォークは短めの靴下を突き破り彼の足の甲に刺さる。震えるバーバリーのロゴ。かなしい笑い方のシベリアンハスキー。焼き芋トラックの悲痛な叫び声は見えない彼の手によってなかったことになる(ただし経常利益は書き換えられない)。それは、貴方も自明のことでしょう。
略してボルシチっち。茗荷谷のアパートに住んでいる姉が実家に残していったわくわく写真館という薄ぺらのアルバムを、今朝僕はこっそり開きました。写真のひとつひとつにキティちゃんの付箋が貼られており、その中の一つに赤ペンで僕の長たらしい名前が書いてありました。ですがその下の写真は僕とは全く関係のないサティの催事場の後片付け後を写したものです。
すぐ次のページの付箋に、香り付きの水色のペンでそれが記されていました(写真はありません)。15年前の香りは未だに死んでいない。ふと違和感を感じた方向に目をやると、目覚まし時計の秒針が痙攣を起こしています。"不思議な恐怖"に苛まれながら、僕は鼻を紙のすぐそばに近づけました。
その時可哀想な僕は気づいてしまったのです。今日はお正月。輝いていた夏休みの最終日にみた夢の中でおばあちゃんに説得されたこと。あの話の通り、もうすでに手遅れであること。
悟ったような表情(僕はそのつもりですが側から見たらおそらくただの無表情でしょう)で背を向けていたドアの方を振り向きました。
まるで準備していたかのように、横長のドアノブが90°下へ下がっていきます。そしてすぐ、木製のドアがゆっくりとこちら側に開き、隙間から「それ」は現れました。
ついにやってしまった。僕はもうフッ切れていました。顔に定規を押し当て無理くりに笑顔を作ります。いつか焼き芋を買いに走った時に、トラックのおじちゃんがそうしていたのをこっそり見てしまった時を思い出して。
そうして、あの言葉を「それ」に向かって投げかけたのです。ロシア語特有の巻舌を爆発させながら。
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