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プレゼントに悩んでいる人へ

先日お客さんが何気なく溢した

「お花を人に贈るってたのしいですね」

という言葉がとてもうれしかった。

たのしいよね。相手のことを考えながら選ぶ花。

渡したときの相手の喜ぶ姿や、空間にぴったりとハマったときのうれしさやたのしさといったら!!


わたしは職業柄、花を誰かに贈ることが圧倒的に多いけれど、花を贈られることももちろんだいすきだ。


夫は定期的に花をプレゼントしてくれるけれど、その回数を重ねるごとに

オーダーの方法を工夫したり

「今回はこの花を主役にしてもらってね...」

「今回のテーマは...」

などと、レベルアップしているので大変興味深い。(だんだん自分のこだわりが出てきてて笑っちゃう)


花屋をしていても
なにか欲しいものある?と聞かれると

「花〜!」

と答えてしまうし

花をもらうたびに、毎回ちゃんと胸がときめくから不思議だ。

以前後輩からもらった花束にはブラウンのユリや糸菊が入っていて

「ちろさんぽいと思って入れました!」

と言っていた。

自分のことを考えて選んで束ねてくれたんだなと思ったら、愛しくて泣きそうになってしまった。



誰かが自分のことを考えて選んでくれたものなら、どんなプレゼントでもうれしいけれど。



家族や友人、恋人へ

なにプレゼントしよう?

と悩んでいる人には、花とレコードを贈ることをぜひおすすめしたい。


若い頃友人とお互いのお誕生日に レコードを送り合うということをしていた。

これが非常にたのしかった。

毎年、なんのレコードなのかワクワクしたし、普段自分では開拓することのないジャンルのものが聴けたりするので、新しい音楽を知ることができるたのしさもあった。

寒い冬の夜に温かいシチューを食べながら聴いて欲しい
というひと言を忠実に守り続けたい

そこに毎年添えられる、レコードのレコメンド文章も良かった。

毎年長文のレコメンドを読むのがたのしみだった

もらったレコードたちは、いまでも繰り返し聴く大切な一枚になっている。

いまでも大切に聴いている至高の一枚
james blakeのenough thunder

ただ、これは何年か続けた後に

「もう、お互いの家のレコード棚の中全部把握できないからムズイ」

という理由で残念ながら廃止になり

その後は、本、ビンテージの花器や花などを贈り合うようになった。


レコードプレーヤーを持っていない人でも、レコードをプレゼントしてもらったら

「針を落とさなければ!」という気持ちが沸々と湧いてきて、気づいたらプレーヤーをポチっているに違いない。

ジャケが洒落ていたらインテリアとしてもたのしめる。

プレゼントとして最適ではないだろうか。


月日が経って

「このレコード、あの人からもらったな〜」

なんて、思い出すことだってあるだろうし(旅先で買うレコードたちと同じように)

もしかしたらそれがほろ苦い思い出になることもあるかもしれないけれど、それもまた良い。


一枚のレコードに、花も添えてあったら、きっともっと素敵なプレゼントになる。

自宅で、もらった花を飾って、レコードに針を落とす瞬間がたのしみになる。

花は消えて無くなってしまうから良い。消えて無くなるものはプレゼントの鉄則だ。


秋口にお誕生日を迎えた友人に花束を渡した。

「家の近くに素敵なお花屋さんが無くて、なかなかお花を買えずにいたからうれしい!」

と、すごく喜んでくれた。

2人で

「かわいいねぇ〜」
「ちょっと花持って、そこ立ってみて!」

と言いながら写真を撮った。

彼女には、また来年も花束を贈ろうと思った。


そして先日
とある投稿を見かけた。

「花をプレゼントする女はマウントを取ってる」

わたしは衝撃で腰を抜かした。


わたしも相当捻くれた部分を持っていると思うが、この意見は斜め上すぎて

「その発想すげーな!!」

と、思わず笑ってしまった。

わたしは来年も再来年も、大切な人たちに花を贈ると思う。

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