ゴースト&レディ 観劇レポ!(2024.8.2 マチネ)まだ書く!
8月2日マチネの『ゴースト&レディ』観劇レポ、まだ書き足りないので。
※作品の表現に習い「看護婦」等の表記を用いることをご容赦ください。
⚠️原作、舞台のネタバレを含みます。
◆信じたいものを信じた!に泣く
グレイの名言。公式プロモでは良いところで使われてましたね。センスあるよ編集さん。
裏切りで始まり裏切りで終わる人生だったグレイ。もうそんな目には会いたくないと、ゴーストになってからは孤独を決め込み、信じることを諦めていたわけですが、フローと出会って「諦めてた 願いが よみがえる」んですよね。やっぱり信じたかったんですね。絶望するする詐欺でフローにもある意味「裏切られ(騙され)」てしまったわけですが、今回の裏切りだけは幸福だったんだと思います。デオンに「あの女は絶望する気なんかないぞ」と言われて「ああ!」と快活に答えていましたので。原作では「裏切られたってことは、信じたってことだ」みたいなグレイの台詞があります。最後に報われて良かった。裏切られ続けた人生は、人を信じ続けた人生でもあったわけですね。死後もそれを貫いた。あっぱれな主演俳優だった!
◆神アプデされたフィッツジェラルド
ジョンホールの忠実な部下で、妨害工作も手伝うし、足置きにもなりますが、最後の最後でホール長官の命令に背いてフローを逃がそうとしてくれたあの人です。あそこは隠れた名シーンですよね。裏切りの行く末を案じるフローの優しさにも泣ける。優しい。
原作では展開が異なっていて、最後までホール長官を裏切りません。フローを撃とうとしますが一手早くボブに撃たれて倒れます。負傷したフィッツジェラルドを手当てするフロー。その様子を疑問視するボブ(命を狙ったワルい奴なんですよ!)に対して「それでも私は看護婦ですから」と答えるシーンは、1幕で不届き者に襲われるシーンに受け継がれています。慈しみ。
死の直前、フィッツジェラルドはフロー暗殺計画の動機を問われ「命令に従っただけ」と答えるなど、思考停止のマシン感があります。怖い。フローも「命令にただ従ううちに心が麻痺する これが戦争の本当の恐ろしさ」と憤る。
舞台では、ホール長官に忠誠を示している(ように見える)ものの、時折り疑問を抱くような言動もチラ見せ。足置きにされてる時の表情とか、もっと良いキャビアを調達しろと言われた時の「はぁ…」とか。ラストの裏切りに向けて伏線が敷かれている気がします。またホールの前ではフローのことを「あの女」と呼びますが、相対した際には「ミスナイチンゲール」と呼ぶなど。本当に慕うべきは誰なのか最後に気付いたようです。あなたも信じたいものを信じたのですね。良アプデだと思います。
◆偽善者と呼ばれても
四重奏のシーン、まったく凄いですねあれは。激しい戦いを歌声で表現しています。ゴースト役の志音さんのおばけ歌唱力がここでも炸裂。本当、ここのシーンだけでお金払えます。魂の歌声。福山雅治にリクエストしたい。
志音さんの声は1音1音が仏になって口から出ている可能性があります。空也上人の領域です。
四重奏ってカルテットっていうんですか。覚えました。夕焼けクインテットなら知ってます(?)。
歌声も素晴らしいですがあの曲も神ってますよね。富貴先生、あんた偉いもん作ってくれちゃいましたね。メインのメロディの中に、フロー、ホール、グレイ、デオンの4人の持ち曲(?)も挿入されてて、大晦日の特番豪華メドレーみたいになってます。サントラ、はよ出てくれ。
◆最後のフローが光の中に消えていく演出
えぐい。クリスマスのダンスシーン然り、生身と幽霊なのでずっと触れ合えない二人。最後にやっと抱き合えてキス。ミュージカル史に残るエンディング。美しい別れ。ターミネーター2に並んだ。ランプを掲げて光の中に入っていくフロー。神々しすぎる。泣いた。大声出そうになるのを堪えるのが必死でした。不整脈。過呼吸。こっちが昇天しかけました。オールドデュトロノミーに選ばれるところでした。
今回センターブロックから見ていたので、光の当たり方が大変見事でした。実はサイド席から見た時はこの演出がちょっとだけ綺麗に見えなかった(ちょっとね)気がしました。光とスモークで影を作るのですから、仕掛けがちゃんと作動するには当然正面から見るのがベストなはずなので。皆さまも、良席チケパト頑張ってください。
こちらからは以上です。