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天職だった教員を辞め起業家へ。先生を起点に日本の教育を変える
教員不足や教員の離職率の上昇、教育学部の志願者数の減少など現代の日本の教育はさまざまな課題を抱えています。
日本の教育を変えるために、先生たちとともに立ち上がった起業家 三原菜央さんの思いを聴きました。
学校と社会との分断に気づき、教員から会社員を経て起業へ
―三原さんが取り組む教育の問題を解決する事業について教えてください。
「先生の学校」という教育メディアコミュニティを通して、先生と子ども両者にとって、学校が行きたい場所になり、人生を豊かにすることを目指しています。具体的には、雑誌の発行やイベントの開催、オフ会や勉強会といった活動、メールマガジンやYoutube番組の配信を行っています。
ソーシャルインパクトとして置いている有料会員数は約2000名、メールマガジンの会員数は6500名、Youtubeのチャンネル登録者数は1270名です。売上としては、今年4期目で5000万円を見込んでいます。
ーなぜ三原さんは教育の問題に取り組もうと思ったんですか?
大学卒業後8年間、専門学校で教員をしていました。教員の仕事はとてもやりがいがあり、天職だと思っていました。そこは幼稚園教諭や保育士の資格が取得できる専門学校だったのですが、ある生徒から「一般企業に就職したい」と相談されたことがありました。その時、幼稚園や保育園以外の就職先について何も知らない自分に気付いたんです。
何も知らないのに「何でも知っている」かのように生徒たちの前に立っている自分に違和感が芽生えました。このことをきっかけに、教員を辞めて一般企業に転職。ITベンチャーなど3社を経験しました。
会社員としてのキャリアを積む中で、学校は社会の中にあるはずなのに、学校と社会が少しかけ離れたところにあるように感じました。お互いの視点を理解することで、学校と社会の間に橋を架けたいと考え、両者が一緒に学べる場「先生の学校」をつくりました。この時はまだ事業としてではなく、ライフワークとしてのスタートでした。
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ー 一人の教員としての課題感から活動を始めたんですね。「先生の学校」を事業化したきっかけは何ですか?
先生とお話をすればするほど、先生が置かれている現状が見えてきました。 自立性を発揮しづらく、新しいことをしようと思っても「今まで通りやった方がいい」「あなたのクラスだけやらないで」といった同調圧力が根強くありました。
そして、そういった環境に違和感を抱えた情熱のある先生たちが、定年まで勤めあげることなく先生という仕事に見切りをつけて、別のキャリアを歩んでいくという現状を知りました。
先生の学校の認知が広がり、共感が得られるようになるにつれて「これに人生をかけてみたい」という気持ちが大きくなっていきました。そんなとき、偶然たぐっさん(代表 田口)のインタビュー記事を読み、「こんな会社があるんだ!」と衝撃を受けました。
それから、ボーダレスアカデミー(社会起業家養成所)に参加をし、事業化に向けたプランニングを始めることにしたんです。
樹海を歩くようなプランニング。会社員の経験が起業の糧に
ープランニングでは、どんなところが難しかったですか?
プランニングって「本当にこれがやりたいのか」「本当にこの人たちを助けたいのか」と自問自答し続けるので、樹海を歩いてるような気分になるんです。答えがないから、自分で答えを決めて、覚悟をもって前に進まないといけない。覚悟を決めるには、とことん自分と向き合うしかないんですよね。
自分の思いに深く深く入っていくのは本当に大変で、正直燃え尽きかけたこともありました。
でも、周りから賛成されなかった本当にやりたいアイデアを、たぐっさん(代表 田口)は「いいね!」と言ってくれて。「間違ってないんだ」と肯定されたような気持ちになり、一筋の光が見えました。
ー起業してみてぶつかった一番大きな壁はどんなことでしたか?
実は、まだ大きな壁にはぶつかってないんですよ。ビジネスパーソンとしてある程度のことは経験済みだからかもしれません。
転職を繰り返した時期が人生で一番つらかったです。その時に人間力や精神力が鍛えられたおかげで、何が起きても大丈夫というマインドが備わりました。
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ー社会起業家に必要なものって何だと思いますか?
「覚悟」だと思います。「ここまでいくぞ」という覚悟だけ。覚悟があれば言い訳しないし、あとは「どうやって登るか」だけなんです。
時間はかかるかもしれないけど、登る山つまり「ビジョン」が決まっていて、そこに行く覚悟があれば必ず行ける。どんな山も、必ず登りきれると思っています。
―ボーダレスの一員として起業して良かったと実感するのはどんなときですか。
私が最後に腹をくくれたのは、たぐっさんのおかげです。駆け出しの起業家にとって、灯台のような存在がいることは心の支えになりました。
ボーダレスには志が高くいい人たちが集まっていて、疑問や提案を一つ投げると、きちんと打ち返してくれます。「意識高いね!」の一言で済ますのではなく、「一緒に考えていこう」「時間をとって話そう」と仲間を大切にする空気感があります。自分が自分らしくいられて、真面目なことを語り合える仲間の存在はとても貴重だと感じています。
バックオフィスの皆さんも、事業のことを真剣に考えてくれて温かい言葉をかけてくれます。こういったマインドもカンパニオの強さだと思っています。
子どもたちが受け取って思わず笑顔になる社会へ
ー社会問題の本質的な解決につながっていると感じたエピソードについて教えてください。
「仲間ができて一緒に何か始めました」「先生の学校で出会った人たちのおかげで人生が好転しています」といった嬉しい言葉をもらうことはたくさんあります。
あるイベントの時に、高校の数学の先生と民間企業のマーケターの人が隣同士になりました。そのとき数学の先生が「自分が教えてることなんて、社会で役に立たないから」と自虐的な発言をしたんです。
それに対して、マーケターの人が「いやいや、高校数学ってマーケティングにめちゃくちゃ役立っていますよ」と話してくれて。 その先生は「自分が教えていることが、社会にどう役に立つのか」というイメージがついたことで、 とても活き活きし始めたんです。事業を通して、こういった光景をたくさん引き起こしたいと思ってます。
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―先生の学校が目指す理想の社会と実現するための構想について教えてください。
スマイルバトンという屋号には、「子どもたちが受け取って、思わず笑顔になってしまう社会をつくりたい」という思いが込められていて。子どもたちが笑顔になることなら、何でもやりたいと思っています。
子どもたちは生まれながらにして、勝手に学んでいくすごい能力をもっています。そんな子どもたちの可能性を狭めたり、苦しそうな顔をさせてしまったりする環境は、大人たちがつくった仕組みや、政治や国の問題が大きく関わっています。つまり、子どもたちの問題は、大人たちの問題なんですよね。
だから、「大人がご機嫌な社会」を創っていくことがとても大切だと思っています。どうやったら大人たちがご機嫌でいられるのか。寛容であるためにはどんなことができるのかと考え続けながら、今後も事業を増やしていきたいです。
―三原さんと同様に転職して起業家を目指す方々へメッセージをお願いします。
キャリアを積んだ人たちの起業には、大きな可能性があります。企業で働いてきた強みをもつ人たちが、勇気をもって起業という一歩を踏み出せたとき、すごいパワーを発揮できるし、会社員を続けるより想像以上に楽しいことを伝えたいです。
一方でマインドセットは必要です。「今まではこうだった」という染みついた価値観は、メガネを外すようにそっと置いておくことが大切です。また、家族や収入といった守るものが増えている場合も多いと思います。でも、そういったことはなんとかなります!
世の中にモヤモヤしていて「自分にはできない。でもやりたい」と思っているなら一歩踏み出してみてほしい。それまでの経験はすべて生かせるので、起業はとてもおすすめです。
絶対に”自分らしい起業のありかた”があるので、諦めないで挑戦してほしいですね。
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