若きリーダー、25歳の挑戦者が明かすー自然エネルギー事業に込める想い
「最終的には、”ハチドリ電力の代表を自分にやらせて欲しい”とたぐっさん(ボーダレス・ジャパン代表 田口)に相談し、ハチドリ電力とハチドリソーラーの代表を務めることになりました」
こう語るのは、ハチドリソーラーで代表取締役を務め、2023年12月よりボーダレス・ジャパンの電力小売事業「ハチドリ電力」の新代表に就任した池田将太だ。
実は池田がボーダレス・ジャパンに入社したのは2021年4月。現在、新卒3年目の25才。
_____1日も早く、ボーダレスで起業したいと思った
ここからは、学生時代から社会課題の解決をするための起業を志し、あらゆるステークホルダーたちを惹きつけてやまない、池田将太の全てをお届けしたい。
打ち込むものを失った野球青年を変える_教授の一言
幼い頃からプロ野球選手を目指していた池田の夢は大学進学とともに断たれた。野球に代わって打ち込めるものが見つからず、悶々とした学生生活を過ごしている日々に、助言をくれたのはJICA(国際協力機構)出身のゼミの教授だった。
「大学1年生の時、教授に『君は、体力があるんだから暇してないで社会のために役立つことをしなさい。』と言われ、ディズニー映画モアナと伝説の海の舞台にもなったミクロネシア連邦を訪れました。現地で生活していると人々の豊かさを感じる一方で、ごみ問題の環境問題を目の当たりにし、自分が取り組むべきテーマが見つかった感覚がありました。」
そこから池田は、学生団体の立ち上げやクラウドファンディング、アップサイクルのプロダクトづくりなど様々な活動に取り組む。特に関心をもったのはエネルギー分野だった。日本とミクロネシア連邦には意外な共通点があったのだ。それは、再エネ比率が20%前後であること。どちらも火力発電頼りではあるものの、日本と比較して電力インフラが整っていないため、電気代は約2倍。現地の人々の生活を困窮させている現状を何とか変えたいと奮闘していた。
「学生時代の活動はどれも大学や財団から金銭的援助を受けなければ続けることができない状況でした。これから先もずっと社会課題の解決に取り組むのであれば、お金を生み出す仕組みを学ばなければ、と考えていた時にYouTubeで田口が登壇するTED× Talksが目に入ったんです。この人に会えば、起業のノウハウが学べると思い会社の代表電話に速攻問い合わせをしました。」
電話の窓口で、最終面接まで行けば田口に会えると聞いて臨んだ選考は、奇しくも二次面接でボーダレス・アカデミー代表の半澤に落とされる。諦めきれなかった池田は、リトライを申し込み、無事に田口との面接を経て入社を決めた。
「当時は『エネルギー事業を通じて環境課題と雇用創出する』というビジョンを掲げ、ミクロネシアでの起業プランを練っていました。入社後すぐに起業するために、内定期間中は小水力発電事業を手がけるリヴァー・ビレッジの代表のもとで住み込みインターンをしていました。兎にも角にも、スマートなタイプではないので持ち前の体力とコミュニケーション力を武器に先人たちに教えを受けながらここまでやってきました。」
「抜擢」の文化、自ら起案したハチドリソーラー事業の躍進
ボーダレス・ジャパンに入社した新卒は、3カ月間の「新卒起業家育成プログラム」※が待ち受ける。代表の田口直下で新規事業開発を実践で学ぶというものだ。奇遇にも、池田の代は7人全員がハチドリ電力に配属された。その後、池田は入社前から描いていた起業プランと違う形で、ハチドリソーラーをスタートすることになる。
「入社前に、起業プランを発表する機会がありました。僕は、ミクロネシアで水力発電事業を行うプランを発表したのですが、田口からのフィードバックはコストと時間的制約から太陽光発電からトライするのがいいのでは?というものでした。そこから、太陽光発電事業にプランを切り替え事業計画を進めていたものの、世界的パンデミックが起き渡航が難しくなりました。当時、田口の元にはハチドリ電力で太陽光発電事業ができないかという話も来ており、同じモデルをまずは日本で始めてみることになったのです。それが、ハチドリソーラーの始まりでした。」
新卒1年目で事業統括からスタートしたハチドリソーラー事業は、2022年に分社化。現在、2期目を迎える。先輩起業家からの助言や応援を受け、成長を続けている池田だが、経営者としての視点を確かに持っているということを付け加えておきたい。
「ハチドリソーラーが指標とするソーシャルインパクト※は、設置した需要家の数と容量です。僕たちは、少ない人数でインパクトを最大化するためにも他の事業者がアナログを中心に営業活動をしている中、デジタルマーケティングとパートナー制度の2軸で集客する販売体制を構築しました。ビジネスモデルを、初期費用0円で太陽光パネルを設置できるリースサービスにしたことも功を奏し、これまでに400世帯以上のお客様に導入いただき、1期目と比較しても現時点で4倍以上の売り上げを達成しています。」
※入社年によってプログラムの内容は異なる
※ボーダレス・ジャパンは、売上・利益とは別にどのくらい問題解決に寄与できたのかを測る「ソーシャルインパクト」を各事業の指標に置いている
池田が出した最終的な答えは「2つの事業を率いる」
池田の得意領域はフロントで、特に社外とのアライアンスには長けている。さまざまなステークホルダーを巻き込み、つくりたい未来や社会を語り合うことで共感を集め、仲間を増やしているそうだが、同時にある危機感を抱いたという。
「現在、戸建て住宅の太陽光パネル設置比率は12.3%。設置できない住宅を除く全世帯がつけたとしても、日本の再エネ比率を15%ほどしか上げられないのです。このままでは、社会は変わらない。自然エネルギーの普及を拡大するためには、太陽光に限らず、発電所が建設できるような事業に成長させていく必要があるのではないか。発電所で生まれた自然エネルギーを買い取り、販売する仕組みまで一気通貫して自分が見ることが果たしてできるのか、田口のように0→1の事業を一つでも多く生み出せる起業家になるには何をすればいいのか、自問自答の日々を送っていました。」
一度は、別の新規事業を立ち上げることも検討した池田だが、最終的に出した答えはハチドリ電力の代表に自分が就任することだった。
「ハチドリ電力とハチドリソーラー、両事業の代表に僕がなることで「電気を買い取る、届ける」と「発電所づくり」という大きな役割を生み出すことができ、さらに大きく社会を変えられると思いました。」
自然エネルギーが主電源の社会をつくるために
自然エネルギーだけで、2つの役割を担う事業者は日本にまだ少ない。しかし、ハチドリ電力とハチドリソーラーで良いシナジーを生み出すことができれば、自然エネルギー100%の社会に向けた着実な足がかりとなるだろう。今、25歳の若き代表の手腕が試される。
「ハチドリ電力を伸長させるためには、マーケティングと社会との適切なコミュニケーションが肝になると考えています。ユーザーとの接点を細部にわたり設計し、やり切ることができるスキルセットを持った人の参画を求めています。そのために、僕が目下コミットするべきは採用です。大胆に任せてもらった以上、お客様のため、社会の未来のために本気で考え、行動できるような組織づくりに注力していきたいですね。最終的なゴールは、『自然エネルギーが主電源の社会をつくること』『地球温暖化を止めること』だと変わらず意気込んでいます。」
イベント情報
ハチドリ電力では二本松ご当地エネルギーをみんなで考える株式会社(以下、ゴチカン)と福島県二本松市で"日本初"の 太陽光パネルを縦向きに設置する「垂直ソーラー」発電の仕組みに挑戦しています。設置後は、ハチドリ電力が電力を20年間固定の価格で買い取り、東北エリアに電気を届けていく予定です。建設の裏側をゴチカン代表取締役社長 近藤 恵氏と田口、池田が全3回のトークイベントを企画しました。ぜひご参加いただけると幸いです。
<開催日程>
2023年12月20日(水) 19:00〜20:00
2024年1月18日(木)19:00ー20:00
2024年2月10日(土)11:00ー12:00
<実施方法> オンライン
<費用> 無料
申し込みは、以下よりお願いします
採用情報
現在、ボーダレスでは世界13カ国で49のソーシャルビジネスを展開しており、新規事業開発やマーケティング・クリエイティブなど複数ポジションで採用強化中です。
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