パパになる人達へ(一歳児の父より)
先日、息子が一歳になった。
そして、周囲の友人達もパパになる人がちらほら。一年だけ先を行く私に「どんな心構えでいたら良いですかね?」と聞かれることが多くなったので、この記事にまとめようと思った。
私がしたこと、そして後から振り返ると不十分だったことをまとめているので、何かの参考になれば幸いだ。最後には妻のコメントも載せている。
▼この記事はこんな人が書いています
ちなみに、この記事はあくまで仕事に奮闘する世の中の男性に向けて書いたものなので、
女性のみなさまは、ページをそっと閉じていただくか、
もし読むなら
「あー男ってそういう生き物なのね」
と、再度認識していただくぐらいの方がありがたいです。
「父親になる」と聞いて私が最初に思ったこと
私は子どもが好きでも嫌いでもない。子どもが歩いているのをみて「きゃーわい~~っっ!」とかならないタイプの人間だ。子どもが考えることは興味深いし、一緒に遊んで楽しむこともできるけど、それは子どもだろうが大人だろうが老人だろうが同じこと。
そんな人間が父親になっても良いのかね、と友人に相談したこともある。友人の答えは「ひでちゃんは人を愛するし、きっと幸せな家庭築けると思うから、自信持って良いと思うな」という感じで、大きく後押しをしてもらった形だ。
その数秒後に思ったこと
これはもはや意地のようなものかもしれない。
そう、テーマは「妻は何もしない」だ。世の中には様々な境遇から、本当に一人で頑張っているパパさん達もいるのだから、頑張れば妻の負担をゼロにできるんじゃないか??
だが、その考えは甘かった。
あまりにも甘すぎた。
育児において「妻がやることをゼロにする」心意気で挑んだところ、それでも妻の負担が50%を切ることがなかった。
まあ、考えてみれば当然だ。当然ですよねー。
出産という行為そのものが、全治半年の大けがのようなものだから。
その前の妊娠だって、大変だし。
何が起こったのかを説明してみよう・・・。
私がしたことと、不十分だったこと
1. 妊娠中の妻のサポート:妊婦さん達の一番大きなストレスが何かを検索→行動した
結果:妻のストレス→夫と悩みが共有できない
少し思いついただけでも、このぐらいの熱量の差が露見するという結論であった。
だが、私の妻は彼女自身の中の優しさを掘り出してきて、「いやいや、やってくれてる方よ」と、私が起こした行動に対して感謝とフォローをしてくれるのを忘れない。いや、すごいな。改めて考えると。
ちなみに、妻の場合つわりはほとんどなかったので、つわりがひどい人だとさらなるケアが必要となることだろう。
2.出産事前準備:本を購入→準備!
なんせ育児『大全』だ。レビューを見ても、ほとんど女性が書いていて高評価。ということは、女性がやること全てをカバーできるはず・・・!
結果:もちろんありがたい!し、心意気は嬉しいけど、気を揉むなぁ。。
なんか書いてて思ったけど、オレって仕事ができる人間じゃないよな。。先を見て行動できてないし、あとなんと言っても漏れが多いぜ。あとは気をもんでいる人の気も知らず、わりとノー天気。(いや、自分がそういう人間だとは知ってたけどな・・・!!)
フルタイムで働いている妊婦さんだと、復帰後の事でも色々頭を悩ませているだろうから、さらに負担が多いことだろうと推察する。
3.出産と育児(最初の3ヵ月ぐらい):とにかく時間とエネルギーを注ぐ
出産を迎えた妻。出産時はコロナだったので、立ち合いはできなかった。私にできることは何もない・・・。あ。唯一したことは、車で送っていったことと、コンビニのご飯を届けたことかなぁ。まぁここで起こったことは、
なので、
でかした妻よ。
とだけ言っておこう。(逃)
6日間の入院を経て、妻と息子を迎えに病院に行った。
ここからが新たなスタートだ!!妻が妊娠から育児のスタートを切ったのだとしたら、10ヵ月遅れてのスタートだが、これでオレも頑張ることができるぜ・・・!
結果→やっと部下ができた気分。
私の心意気としては、「シングルでも面倒見れる」というものだった。でも、その心意気を持ってして、やっと妻の負担率が50%程度になったのではないかと思う。
4.保育園開始までの育児(3ヵ月~10ヵ月):日常と非日常の楽しみを作る
この期間は、最初の三ヵ月のスタートダッシュがずいぶん効いたのだと思う。体が夜泣き対応に慣れてきた。
また、3ヵ月を過ぎると首も座るし、半年を過ぎると突然死の心配がかなり減る等、手はかかるけど成長に伴って心配の深刻度が減る、という変化があった。
友人の話やSNSを見ていると、私達の息子はかなりイージーモードな方なのではないかと思う。欲求が満たされると一瞬で泣き止む。
更に幸いなことに、当時住んでいた2階建ての家の階下は美容院だったので、夜に周囲への騒音問題を気にする必要がなかった。
そして前述の通り、心配の深刻度は減っていた。
だと言うのに、、、7カ月~10ヵ月は、夜の事を考えると正直気が滅入った。「あ~今日も夜勤か~~(昼も子育て勤務だけど)」という、どんよりした気持ちだ。「いつか終わる(終わってしまう)」という希望で乗り切った気がする。
息子との関りや成長を見るのは嬉しかったとは言え、やはりなんだかんだ、変化のない睡眠不足に苛まれる日常が辛いものだったのかもしれない。
恐らく妻にとってもそうだったのだろう。というわけで、かなりのペースで人を呼んだり、家族3人で結構旅行に出かけたりしてた。1歳になるとなかなか旅行できないよ、と諸先輩方に言われていたのもある。
息子はバウンサーの上やベビーベッドにいれば基本ハッピーな人だったからそういう事ができたというのが大きい。
8カ月=240日中、160日は何かしらイベントがあった。単純に割り算しても、旅行は1月に1回以上行っていて、週3日は誰かしらが家に来てくれていたことになる。
これに加えて、外出してご飯を食べに行ったりもしているので、私達夫婦はイベントにはかなり恵まれている部類なのではないかと思う。
結果→対等な夫婦負担率を達成。(と、私は思っている。)
結論 ~これだけは抑えておこう~(今からパパになる人達へ)
シングルファーザーのつもりで、全部自分がやる、と思うぐらいで、ちょうど負担は半分になるらしい。
読み直して思ったけど、恐らく辛いのは「熱量のギャップ」なのではないかと。
というわけで、全力で挑むべしっ・・・!
とはいえ、仕事も色々あるのでしんどいことかと思う。
安心してください。奥さんはもっとしんどい想いをしているだろうから、こちらの辛さレベルが上回る心配は一切不要。私達男共にできることは、このギャップを埋める努力をすることなのかもしれない。
そのギャップは、実体験によってのみ補われると思う。
そんなわけで、具体的にどんな行動を最低限やれば良いかを簡潔みまとめてみた。
1.夜のベビーケア
夜間、授乳以外の全てをケアすべし。要は、奥さんを寝かせたままにする。
私は毎日していたが、それでも負担率は妻の方が多い。仕事上毎日は無理なら、せめて週2日とか。里帰り出産をしている人なら、2週間に2泊でも良い。
あ。今「土日がつぶれる」って思った人?その意識はちょっとヤバ目かもしれない。なぜなら奥さんはそもそも休日なんてないからだ。「月に1日でも休みが欲しい」と思いながら、文字通り毎日やってっからな。せめてもの痛み分けだ。
あと飛行機代や新幹線代が高いと思うかもしれないが、高く見積もっても3ヵ月で6回行って30万円。これは将来への投資と思うべし。
向こう数十年に渡って関わる自分の子供に対する心構えというか覚悟というか。このぐらいパッと出すものなんだ、みたいな感覚を自分に覚え込ませるというか。
あと、奥さんにしても「あの時何もサポートしてくれなかった」という遺恨が「仕事も忙しいのに、6回もサポートに来てくれた」という感謝に変わるためのお金としては、コスパが良すぎるんじゃないか??
2.料理、掃除、洗濯
もちろんみんなの分のね。そしてもちろん、夜のベビーケアしてる時にもやるのよ?運よく誰か他の人(祖父母)がやってくれる場合はラッキー!
え?オレ、仕事もしてるのに、家事も育児もするの?
安心してください。奥さんはもっとしんどい想いをしたし、今もしてるし、今後もするんだから、それでイーブン。
3.世帯収入の確保
子どもを育てて行くのには基本的にカネがかかる。もちろん、ないならないなりに幸せにやっていくことができるのが日本の素晴らしいところだけど、まぁ要は生きて行くのが心配・・・というレベルの憂いを回避するぐらいの計画性は持っておいても良いのではないかと。
子供が産まれる前、私の年収8,000万円を超えるところまで行った。当然私より稼いでいる人はいくらでもいるからそういう意味では偉そうなことはあまり言えないが、少なくとも現時点で生活に困ることはない。そういう意味で自分でビジネスをやるのには夢がある。
2人併せてでももちろん良いし、一人で家族全体を養えたら、20年後「ちょっと大変だったけど仕事も家事も育児もできた」と少しだけ胸が張れるかもしれない。
他にもやった方が良いこと
世帯収入を稼げ。家事も全てやれ。育児を自分が100%のつもりで挑め。・・・それでも足りぬっ・・・!
あとは【私がやった事】と【「妻がしたこと」の中から、自分でもできそうだと思う事】は、やっておくにこしたことはない。奥さんを大事にするとは、きっとそういうことだ(・・・と思う。私達夫婦の場合は)。
・・・これらをすれば「イクメン」という称号を与えられる事が恥ずかしいとすら思うようになることだろう。
私が少し恥ずかしいと思う瞬間。
例えば息子と二人で買い物や予防接種等に行くと、「偉いわね~。イクメンね~」と褒められることがある。なんなら、ベビーカーを押して外を歩くだけでそんな声がかかることもある。
が、他の事に比べれば息子と二人の外出が「劇的に楽な部類」であることを痛感する。
この種類の恥ずかしさは、なんというか、出勤したら、おばちゃん先輩から「偉いわね~時間通りに来て。なんて有能なビジネスパーソン!」(←これが全く皮肉ではない)みたいなことを素で言われてしまう、そんな感覚に近い。
「あ、いやっ(照)、はい、ありがとうございます。」
としか言えないじゃないか。
令和の時代、イクメンという言葉を死語に追いやるぐらいの勢いで、お互い頑張りましょ。。
補足:この記事を妻に見せたら・・・
・・・とまぁ、ここまでは私が一人で書いた記事だ。
最後に答え合わせだ。
「こんな記事を、パパになる友人に送りたいと思うんだけど、どう思う?」
妻:「いいじゃん!ぜひ見せてあげて。」
と、OKサインをいただきました。
でもその直後ぽつりとこんなことを。
「・・・でも、これ(夫がやるべきこと)は当たり前だと思うんだけどなぁ。あ、でも当たり前ができるって大事だよね。大事。当たり前の共有ができないと、話す気にもならないもんね。当たり前の事ができてるゆーじは素晴らしいっ。」
とのこと。
まあそんなわけで、、、
結果→妻がやる事をゼロにする」心意気で挑んだことは、妻目線からすると「当たり前」(だがそれが素晴らしい)
・・・今日も色々励みますっ・・・!
さらに補足
2024年3月15日に追記。
こんな感じで、私は頑張った。
頑張ったのだが・・・「頑張る方向性」については、ひょっとしたらもっと良い方向性があったのかもしれない。そんな出来事があった。
上の記事はあくまで男性向けに書いたものなのだが、私の意図しない場所でとある主婦さん(旦那さんフルタイム、主婦さんはパート)の目にとまり、
「ほらみて旦那!この姿勢が当たり前なのよ」
と、なってしまったケースがあった。
いやいやいやいや。
オレの行動は妻に対する愛情表現の一環であって、別にそれを男性がやるのはやらなきゃいけないからではないんだよ。やりたいからなんだよ。
世の中の女性はこういう愛情表現が好きだろうから、仕事に育児に家事に奮闘する男性は参考にしてね。という記事であって、
「ほら、あんたは私を愛するのが当たり前だし、その表現をするのも当たり前」って、、、
そりゃー男側だって萎えますよ。
なので男性のみなさま。
私は頑張って、家事育児の多くを担ってみたが、もっと大事なことがあったかもしれない。
すなわちそれは、「一家の、妻にとっての夫としての、確固たる役割」である。
主(あるじ)としての責任を果たすことだ。
その要因をもっと強く認識しておく方が良いのではないか。
それはすなわち、
何より、妻の感情労働を労わる事である。
妻は事あるごとに気を揉んでいた。
心配したって仕方ないやーんと思うことでも、やっぱりそれでも心配していた。(仕方ない事なんて彼女が一番知ってる)
これは言わば感情労働というやつだ。女性はそこへのアプローチこそ大事にするのだ。
オレがどれだけ行動するとかそんなんは、実質10%ぐらいしか大事じゃない。
(注:普段そういう扱いを受けていない女性は男性「行動しろ」「もっと協力して」と言うかもしれないが、それは翻訳すると「私の感情労働&行動への労いが足りてない」だ。)
ちなみに、人は行動した方が不安に思う時間が少なくなる。
つまり妻にはむしろ行動してもらって、その分その行動と感情労働を労うぐらいがちょうどいいのではないか。
第二子ではこれを差し支えない範囲で試してみたいと思う。
以上、雑感追記でした。