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春【詩】

不揃いに温かい日は
突然叫び出したくなる
それは四足歩行の獣になって
しゃぶり尽くしてしまいたくなる
一端に残った反逆の理性が
横隔膜をひいこひいこと膨らませると
やがて獣はしっぽしか残さずに散る
しっぽは塩からい
私は歩こう
人間の真似をして
第一に人間らしさを突き詰めたいこの目
かっぴらいた瞳孔と閉まらない瞼に
涙が溜まる
塩害となってただただ
そこに在るだけの草の命を枯らす
一刻も見逃すものか、その死顔



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