2023年グラミー賞生ブログ #5
続いていきなり登場したのは何とマドンナ。「さあヤバいパフォーマンスが始まるわよ〜」と言いながら彼女が紹介するのは、サム・スミスとキム・ペトラスの「Unholy」のパフォーマンス。客席中央の円形ステージには、真っ赤なライトに照らされた悪魔の角を模したような帽子をかぶったサム・スミスとキリストを模したように見えるダンサーたち。ベース音とビート主体の「Unholy」のワンコーラスを歌うと、メインステージを指差すサムの指の先にいるのはステージ上に作られた炎に包まれた檻の中で歌うキム・ペトラス。会場全体がこの曲の持つ背徳感に包まれる、そんなパフォーマンスでしたね。スタジオでも自分の表現方法に妥協をしない、サムとキムが自らのLGBTQ+を祝福する圧倒的な世界観に賞賛のコメントが出てるね。
MCのトレバーが母親との電話で「ママ、違うよ、あれは悪魔じゃなくて悪魔のかっこをした人なんだよ」と言ってるというプチギャグをかましながら紹介するのは、カープール・カラオケで有名なジェームス・コーデン。彼が発表するのは最優秀ダンス・エレクトロニック・アルバムだけど、この部門、ビヨンセがノミネートされてる時点で彼女がさらって行くに違いないので、迷惑なノミネートだとブログでは書きました。そしてやはりその通りになったな。サムが「I'm honored…」と言い出した瞬間に、カメラはようやく会場に着いて着席してたビヨンセに。そして彼女はゆっくりステージに。これで彼女はサー・ゲオルグ・ショルティを抜いて、個人アーティストとして史上最多受賞者になるという歴史の瞬間。もちろん彼女はそういう記録に値するアーティストだと思うけど、この部門で取らなくてもいいと思うんだけど。
続いてトレバーがメアリー・J・ブライジのパフォーマンスを紹介。ROYと主要アルバム部門にノミネートされている「Good Morning Gorgeous」を、金ラメのドレスとでっかい縁の黒い帽子でスタイリッシュに決めたメアリーJが金色の三角形のステージに立って、熱唱するというパフォーマンス。そしてバックには20人ほどの女性コーラス隊がゴスペル風のコーラスを付けてるのがいいね。客席のH.E.R.やテイラーが拍手してる。WOWOWのスタジオではビヨンセの受賞に大喜びのコメントが続出。こがけんさんが「2017年にアデルが受賞したグラミートロフィーを2つに割って、ビヨンセにあなたが取るべきといって渡す、というのがあったけど、今年はビヨンセが取って、同じようにグラミーを2つに割ってアデルに返す、というのがベストシナリオだ」というコメントしてたけど、自分的には今年は主要部門でビヨンセが取るのは結構厳しいと思ってるんで、どうなるかなあ。
さて会場ではトレバーがテイラーのテーブルに座って、例のチケットマスターの事件のことを話しているところ。そして紹介するのはLLクールJ。LLが紹介するのは、昨年新設された「Black Collective Award」。今年の受賞者はDr. ドレで、この賞の名前は今後「Dr.ドレ・グローバル・インパクト賞」と呼ばれることをLLがアナウンスすると、Dr.ドレのこれまでの略歴を振り返る映像が。何かすごい、これまでヒップホップへに歴史的に冷たい対応を続けてきたグラミー・アカデミーが今年はかなり勝負に出てるなあ、という感じをすごく受ける、これはこれで歴史的な賞の新設と受賞だと思う。これはひょっとしてやはり主要部門でのケンドリックの受賞あるかも知れないな。受賞スピーチするドレの充実した表情がいい感じです。
そして続いてスタートしたのは、冒頭にお知らせした、クエストラヴの監修による「ヒップホップ50年を称えるセクション」のパフォーマンス。先頭を切るのは、ザ・ルーツのブラック・ソートのアジテーション的なMC。それに続いてグランドマスター・フラッシュらが登場して「Flash To The Beat」から「The Message」、ランDMCによる「King Of Rock」、LLクールJが「I Can't Live Without My Radio」からDJジャジー・ジェフのスクラッチを挟んでソルトン・ペパ登場。おお何とラキムが「Erick B Is A President」、パブリック・エネミーも出てきたよ。ああ、デラ・ソウルも出てきて「Buddy」やってる。スカーフェイスが「My Mind's Playing A Trick On Me」そしてアイスTも出てきた。
次はNYヒップホップを称えるセクションらしく、まずクイーン・ラティファが「U.N.I.T.Y.」とメソッド・マンが登場。突然アウトキャストのビッグ・ボイが登場して「あれ、今度はアトランタか?」と思ってたら、NYに戻ってバスタの「Put Your Hands Where My Eyes Could See」。久しぶりだなあ、この曲聴いたの、懐かしい。いやあバスタが得意の口芸で聞かせる聞かせる!ナスが登場しないのが惜しいけど。次に出てきたのは昨年末AMAにも出てたミッシー・エリオット「Lose Control」。ミッシーも随分スリムになったねえ。
そして今度はセントルイスかな。ネリーが出てきて「Hot In Herre」、これも懐かしい。次はトゥー・ショートが登場。いやあこのパフォーマンスのヒップホップ総出演ぶりは無茶苦茶貴重だよなあ。次に出てきたのはスウィズ・ビーツとザ・ロックス。そしてここからトラップ時代に突入して、リル・ウェインの「A Milli」。でもラップしてるのはリル・ベイビーという豪華さ。そして今度はグロリラが登場して自分のヒット「F.N.F. (Let's Go)」を熱演。どんどん新しくなって髪の毛をトンガラしたフューチャーやリル・ウジ・ヴァートらが登場してもうステージはカオス状態に。いやあ凄い企画だわ、これ。圧倒的だなあ。観客席でジェイZ が喜んで両手を挙げてるけど、君はこのセグメントに参加しないのなんで?とちょっと思ってしまったけど(実は彼は最後に登場した)。