ドラマ「ファイトソング」

愛用している #UDトーク  が登場するってことで、仲間内で話題になり、慌てて途中から観始めました。

火曜ドラマ『ファイトソング』|TBSテレビ
https://www.tbs.co.jp/fight_song_tbs2022/

主人公の耳のことが「秘密」という設定だったためか、ぜーんぜん話題になってなかったし、知らなかった私。

でも、前クールの「恋です!ヤンキーくんと白杖ガール」が視覚障害者=全盲、ではなくて、「見えづらい」という方もいるってことが広まったように、このドラマのように聞こえない=手話、ではない人もいるってことを知ってもらうチャンスだったのに、もう明後日最終回!
監修に医師だけでなく「言語聴覚士」が、協力として「東京都中途失聴・難聴者協会」が並ぶドラマなんて、初めてじゃないかしらん。
それなのに、、、うーん、残念すぎ!
もっと早くから話題になってたらなぁ、、、。

paravi やGyaoでは全話見れるらしいので、無料期間を活用してでも観なおしてみるかなぁ、、、。
…地上波みたく字幕がつくかどーか、分からんですけど。

で、最終回を前に、最新5話分をイッキ見した私の思いを、、、。(ネタバレ含みます。)

個人的には、まず、
聞こえなくなる「かも」
でも聞こえなくならない「かも」
という、じわじわ真綿で首を絞められていく時の心情に、かつての自分が重なり、胸が締め付けられました。

まぁ、清原果耶さんのように美しい涙も流せなかったし、自分の中で思いをためてじっと堪えたりすることもなく、周りにヤツ当たりしてた私ですが。
でも、口に出すと、本当になってしまうような気がする、現実的になってしまう気がする、っていうところにすごく、「そう、そうなんだよね!」と1人相づちを打ってました。

そして、2年後の姿。
じっと相手の顔(口元)を見る感じ、
ランニングしてる時、周りをキョロキョロ見渡す感じ、
かなりリアル。
誰かと対面してる時の、ちょっと自信なさげな感じも。

こんなズーズーしい私でも、
自分の読み取りは間違ってないかな?
空気読めてるかな?
話、ズレてないかな?って
内心オドオドしているのです、、そう見えないと思いますが。

そーゆー細かい感じ、観ている人に伝わってるかなぁ。

そして何より周りの人たち。
話が被らないように順番に話したり
声をかける時、視界に手を振ったり顔覗き込んだりして「私が話すよ」って伝えてから話したり、
筆談ボートならぬ、子ども用お絵かきボードを使ったり、
もちろん、紙に書いたり、UDトーク使ったり。

声で伝わらなくても、伝える方法はあるし、状況で使い分ければよいわけで。
これが聞こえなくなって2年後に、本人も周りの人もペラペラ?手話で会話してたら、嘘っぽくなってたと思います。
もちろんネットでは、「聞こえなくなって2年経つのに、誰も手話を習得してないことに少々違和感」っていう記事も。

『ファイトソング』清原果耶、2年間の月日を巧みに表現 空手家の設定も活かされる形に(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/715291dc55b60f6ca2365c723f4955c2e0338e89

でも本人は発話できるわけだし、この状況では、「手話」という、関わる全ての人にとって初めての言語を身につけるより「音声日本語」を「文字日本語」に変えて伝えるやり方の方がリアルだと思うのです。
こーゆー違和感って、やっぱり「聞こえない=手話」という先入観から来ているのでしょうかね。

視界に入る
文字で書く、見せる
そういうのは、すぐできることばかりだから。
その「すぐできること」が「日常に」「当たり前に」なった2年後って感じなのかなぁ、と。

さらに、素敵な一言も。
空手の道場の師範(高田延彦さん)の言葉。

花枝「私、耳、聞こえないんですけど」
師範「だから、なんだよ。」

聞こえなくなっただけじゃん。
他はなにも変わらないじゃん。
聞こえなくなったことに対しては工夫とかすればいい。
お前はお前。

その一言にそんな言葉が隠されている、、、と私は感じました。
それは、私が言って欲しかった(言ってほしい)言葉だからかもしれません。

先般、IPC(国際パラリンピック委員会)の理事に当選されたマセソン美季さんのお話も思い出しました。
学校の先生になりたいと思っていた大学時代に受障、先生になることを諦めた気持ちでいたところ、留学先のアメリカで「なんで?ミキにはできることがいっぱいある。ただ車いすに乗ってるだけでしょ」って言われて、目から鱗だったと。

日本ではまだ、障害を負うと、その障害ばかりがクローズアップされ、まるで全てが「障害」になってしまったかのように扱われてしまいます。そして本人もその「障害」ゆえに全ての可能性を見失ってしまうことも。

でも「障害」はその人の一部分のはず。
その人はその人のはず。

師範も「(耳が聞こえようと、聞こえまいと)お前は子供たちの憧れなんだ」って。

うーん、深いなぁ。

もちろん、UDトーク布教者(笑)のは1人として、このドラマでのUDトークの使い方、素晴らしい!

Siriとか、アレクサとかが広まってきて、「音声認識」を使うことも一般化してきてる今。
特に説明や解説をしなくても、あーやって、
個人がスマホで使ったり、
インタビューでの対話で使ったり、
そんなシーンがあることで、
音声認識のアプリがこういう風に使えるんだ!って伝わると思うのです。

せっかくだから、花枝ちゃんがデフリンピック(聴覚障害者のオリンピック)出場を決めて、UDトーク使って外国人記者のインタビューを受けているようなシーンがあればいいのに。多言語に対応するUDトークなら通訳不要です(笑)

ともあれ、残すは最終話。
私的には恋の行方はそれほど興味はなく
(どちらの男性もタイプでないから、かな?)
主人公・花枝ちゃんを観たい。

UDトークも出てくるらしいので、そこだけでも(笑)、皆様ぜひご覧くださいませ。

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