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「うたのはじまり」観てきました

以前、都の人権プラザで企画展をやっていた写真家・齋藤陽道さんのドキュメンタリー映画「うたのはじまり」を観に、田端のCINEMA Chupki TABATAに行ってきました。

チュプキ田端は定員20名弱のちっちゃな映画館。
でもやってることは、デッカい!

誰もが楽しめる映画館
チュプキは日本初のユニバーサルシアターです。

全作、音声ガイド付きで、目の不自由な方も、、、
全作、日本語字幕付きで、耳の不自由な方も、、、
スクリーンが見やすい車椅子スペース、、、
小さいお子様を連れたママやパパも安心して英語を楽しめる完全防音の小部屋、、、

(シネマ・チュプキ・タバタ パンフレットより抜粋)

親子鑑賞室

音声ガイド端子

18日にあった舞台挨拶も手話通訳付きで、さらに「UDトークが必要な方はご連絡ください」って。
普通、手話通訳だけでいいと思われてるから、これは嬉しい!

「障害者割引」料金がないのも、障害があってもなくても、同じように楽しめる、というコンセプトだから。
代わりに、鑑賞に来るのに介助者が必要な場合は、介助者は無料。
そして、障害等ゆえに金銭的に苦しい場合の割引は別途あるのです。(プアエイド割引)

これよ、これ!!
障害者割引って、障害者は非障害者より楽しめないことを前提として、配慮やサービス足りなくてごめんね、その分、割引きするから許してね、という意味でもあるのです。
だから、本来ならば、ここのように、誰もが楽しめるようにして、同じ料金を取る、のがあるべき形。

ええ、喜んで、正規料金払わせていただきます!!
(チャンプはもちろん介助者扱い?で無料…席も使わないしね 笑)

足元で丸くなり寝てるチャンプ

webでの劇場案内もとても気遣いにあふれています。

https://chupki.jpn.org/about

・お手洗いの案内(最寄りの多目的トイレの場所も!)
・アクセスの説明
マップを載せるだけでなく、スロープを使う場合やエレベーターを使う場合をそれぞれ文章で解説。地図を読むのってなかなか難しいですが、言葉で説明されてて、それに沿って歩いたら、初めての場所でしたが迷うことなくたどり着けました。
「業務用スーパー(の1つ手前のビル)」って書いてなかったら、絶対に通り過ぎていました(笑)
それくらい小さな、小さな、「映画館」のイメージとはかけ離れたシアター…でも、「こうあってほしい」が盛り込まられたシアターでした。

で!
本日の作品は「うたのはじまり」。

「ろう者」と「歌」って、いろいろな考えがあって、子どもたちをはじめ聴こえる人たちも楽しんでいる「手話歌」についても、論議を呼んでたりするので、正直、「こんなタイトルつけて、大丈夫なのかな」と思ってました。

でも、、、

「歌」ではなくて、「うた」なんだと。

耳から聞こえるメロディなどの「音」を通して伝えるだけが「うた」じゃないんだな、と。

たとえ「音」を聞いたことがなくても、
自分の発する「うた」を耳で聞くことが出来なくても、
その言葉(音声の意味ではなく)や想いはメロディに乗って、相手に伝わっていくのだな、と。

うーん、うまく言えないのですが。

聴こえる人や私のように聴いたことのある人は、「うた」は「歌」であり、つい、どんな「歌詞」?どんな「メロディ」?と、伝える「手段」?「ルート」?に目が(耳が)向いてしまうと思うのです。

でも、彼が見出した「うた」は違う。

彼自身の中から紡がれた「うた」
それを、まだ言葉を話せるようになる前の聞こえる息子くんは、そういう「歌の定義」を全部とっぱらってしまって、「父」からの想いを受け止めたんだと思うのです。

その「歌詞」でもなく「メロディー」でもない「感覚」が「絵字幕」という表現方法で表されていました。

この、「超感覚」の絵字幕を、完全には感じ取れなかった私は、まだ聴者時代を引きずった「歌」の感覚なのかもしれません。

あー、やっぱりうまく言えない(泣)

言葉でうまく説明できない。

誰かと「あーだったね」「こーだったね」って話すこともできない気がします。

でもたまにはそんな「言葉で表現できない感覚を味わう」っていうのも、いいのかもしれません。

聴者でなくなり、でも「ろう者」にもなれない、立ち位置があやふやな自分自身にモヤモヤすることもイライラすることもあるけれども、もしかしたら、時には「あやふや」なことも、あってもいいことなのかもしれないなぁ、、なんて考えた私です。

何か言いたいのか、伝わらないままかもしれませんが、今回はこの辺で。
余韻をしみじみ噛みしめながら、、、寝ることにします。

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