第三弾となる、はるたけめぐみ作品のモーションコミックです。主役は「デスノート」のナレーションもやられた久保亜沙香さんです。ぜひ、ご覧下さい。宜しくお願い致します。
斐太安男 初仕入れ 胸ときめく まず、初めての書籍注文。 電話注文だったと思う、集英社から刊行されはじめたばかりの『人物 日本の女性史』第一巻。高校進学の娘さんへの贈り物とのことだったが、初の仕入れ本で、文字どおり喜び勇んで神田村へ行き、仕入れた時の記憶が鮮明に残っている。見つけたのは太洋社の書
斐太安男 無店舗本屋 開業 あとは注文を取ること。これには二つの道を考えた。 まずは、友人知人を頼ること。人付き合いがよくないので数は多くなかったが、いずれもそれなりに本は読んでいる人たちだった。店舗もなく注文を取ってくるだけの本屋をやると聞いて誰もが驚きあきれ、本気で心配してくれたりしたが、そこは「無店舗」ならぬ「無鉄砲」本屋とだじゃれたりして、頼み込んだ。心配させた効果か、注文も思惑とおりある程度もらえたが、それ以上に人
斐太安男 「落サラ本屋」 「ほう、脱サラかい」 本屋をやりたいと告げると、先輩知人はちょっと心配そうに当時の流行語を口にした。安定してはいるが、先の見えたサラリーマン稼業を辞め、一念発起して起業などで新天地を開こうというときに使われた。 「いや、僕の場合は落サラで…」 サラリーマン脱落という意味で、編集·出版業務の職場に順応しきれず転職を繰り返した末の挫折を自嘲を込めて言ったのだが、もう一つ、その職場順応の妨
斐太安男 はじめに 東京のど真ん中、千代田区神田周辺は名づけて「本の街」。その中心は古本屋が軒を並ぺる神保町の古書店街だが、それだけではない。普通の本を売る大小の書店もあり、その本を創る出版社も大小数多くあることからそう呼ばれるようになった。小型ながら月刊誌『本の街』も発行されている。 この本の街の中に”東京のど真ん中”をさらに強調したい小さな村がある。 その名は「神田村」