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教科書となる本をみつけたら、時間をかけても読みたいと思う。「法隆寺を支えた木」

本格的に寒くなってきました。今までの寒さと違い、体の芯まで冷える感じです。寒さ対策として電気ベストを着こみましたが、一番寒さを忘れさせてくれるのは、本を購入してくださるお客さん。本が売れれば、体の寒さは我慢できる。それが古本屋というものです。

今日は「法隆寺を支えた木」という本を手にとりました。年配のお客さんが「100円コーナーにあったけど、この本はいくら?」と聞いてきたので、本を手にとり確認すると300円と値札が貼ってありました。なので、300円ですと告げると、そのお客さんは帰っていきました。ただ、そういう曰くがつく本というのは、意外といい本が多いのです。そういう経緯もあり、手にとり読みました。

ただ、残念ながらなかなか読み進めることができませんでした。建築物について。歴史について。木のことについて。自分があまりにも知らないことが多すぎました。なので、知らない知識と遭遇するごとにググッて調べ、記録し、読み進めていたらです。読書を始めてからすぐに長期戦を覚悟しました。

ただ、ここで注意が必要で、どんな本でも長期戦に持ち込むわけではありませんし、最後まで読むとは限りません。この本は特別でした。

では、なぜこの本を時間をかけてでも読みたいと考えたかというと、この本を読めば、宮大工が手掛ける建築についての基礎知識が身につくと考えたからです。つまり、この本が「宮大工の仕事」「日本の寺院建築」「建築資材としての木材」についての【教科書的な役割】を果たしてくれると判断したからです。

教科書的な役割を果たす本を読んだ後であれば、後々同類の本を読むことになっても理解が早い。読書スピードも速くなる。そういう効果が見込めます。きっと読める本の幅も広がるし、人間としての知識の深さも増すでしょう。

というわけで、この曰くつきの本との出会いを、店主自ら大事に生かしたいと思います。




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