【読書メモ】タープの張り方 火の熾し方 私の道具と野外生活術』(高桑信一、山と渓谷社)
別に山に登るわけじゃない。道具に凄いコダワリがあるわけじゃない。でも、コダワリを持って自分の好きを追求している人の文章は割と好き。いや、かなり好き。
渓流ガイドをしながらフリーランスのカメラマン、ライターである著者が自身の山登り、というかよりは沢(本書では渓)登りの道具を紹介する内容だが、冒頭にも書いたとおり偏りを自覚しながら、むしろ偏りを誇りながら道具論を語るその語り口が面白いのでついつい読んでしまった。
飲むために渓に入ったり、焼き鮭は誰がなんと言おうと大辛だと言い張ったり共感できないところが逆に小気味良い。幸せそうな文章であった。