観た映画つれづれ(1)
・観た映画の感想をつれづれ書き散らします。
・10作ずつです。
・ネタバレあり。
・評価は点数ではなく、好き度合いで表記。
・レアリティは上から「めちゃめちゃ好き」「かなり好き」「好き」「ふつう」「好きじゃない」。例外アリ。
・映画館が遠いので上映中の作品はほとんど観られません。
・変なこと書いてたら鼻で笑って流してください。
『High&Low THE WORST』
かなり好き。
ハイローシリーズと「クローズ」「WORST」がクロスオーバー。ハイローは映画シローズのみ視聴、「クローズ」「WORST」は未履修。この状態でもめちゃくちゃ楽しめた。
初っ端、スキンヘッドの学生軍団が電車からゾロゾロ下りてくるシーンで一発ノックアウト。鳳仙学園は絵面が強すぎる。
キャラクターもみんな魅力的。もともと鬼邪高校推しなのでその時点で大満足なのだけど、「WORST」からの楓士雄ら幼馴染組もすんなり好きになれた。アクションも満足。とにかく気持ちの良い映画でした。
スタッフロール中の「失神」でかなり笑った。
『返校 言葉が消えた日』
好き。
台湾のホラーゲームの実写映画化。
舞台は1960年代、白色テロ時代の台湾。学生である方芮欣と魏仲廷は、激しい台風によって帰路を絶たれ、いつもと様子の違う学校を彷徨う。次々と襲いくる恐怖のなか、方芮欣は己の過去と向き合うことになる……。
原作にあったアレコレが非常に巧く取り込まれていて、再現度は極めて高い。例の首切りを終盤に持ってきた上に絵面の厭さを増してるのがすごい。ゲームの映画化としては最高峰の出来だと思う。
思想弾圧は学生に対しても容赦なく、終始暗い画面がその抑圧感を表現している。それだけにラストが目に沁みる。
『ドラキュラ(1992)』
好き。
ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』を映画化。原作よりもドラキュラ伯爵とミナ・ハーカーとのロマンスがかなり濃くなっている。
美術が圧巻。禍々しく紅いトランシルヴァニアの空を筆頭に、「これぞゴシックロマン」という絵面をドストレートに叩きつけてくる。30年前の映画なので古さは感じるが、それも含めて愛おしい。
展開もサクサクで退屈しない。原作小説の重さにドロップアウトした人はぜひ。
ゲイリー・オールドマン演じるドラキュラが実にイケオジ。ジョナサン・ハーカーもめちゃ顔いいなと思ってたら、若き日のキアヌ・リーヴスだった。
ミナの心が明確にドラキュラ側に落ちてしまうのでNTR地雷の人は注意。
『狼よさらば』
かなり好き。
原題は「Death Wish」。ヴィジランテ映画の嚆矢。ニューヨークに住む一般市民ポール・カージー(チャールズ・ブロンソン)は、チンピラ達の手によって妻を殺され、娘をレイプされてしまう。失意のままにも何とか生活を続けていたが、あるきっかけで拳銃を入手したことにより、夜な夜な街に繰り出して街のチンピラを殺して回るようになる……。
ニューヨークの治安が最悪。妻と娘が暴行されるシーンは結構ショッキング。
サスペンスも十分。中盤から出てくる刑事がとても有能でいいキャラ。デスノートのLじみた手腕で的確にカージーを追い詰めていく。
ラストカットがめちゃめちゃ好き。こいつ絶対またやるよ……と思ってたらいくつか続編が出てた。軽くあらすじを調べたけど、カージーの関係者レイプされすぎでは。あまり観る気はしない。
『コールド・マウンテン』
※アマプラは字幕の仕事が雑。観るならアマプラ以外で。
好き。
南北戦争期のアメリカ。南軍に参加していたインマンは、激しい戦いの中で負傷し、故郷に帰るため、最愛の女性エイダに会うために脱走兵となる。
インマンとエイダのパートが交互に描かれる。インマンパートは故郷への旅路を行きながら、救ったり救わなかったり救われたり救われなかったりする。エイダは故郷での苦しい生活に耐えながら、ひたすらインマンが帰るのを待つ。
どちらのパートも関わった人間とのドラマが魅力的。途中でエイダと生活を共にするルビーが本当によい。ひたすら重いストーリーを明るくしてくれた。
ルビーの父親が生き残ってくれてよかった……。
ビッチ姉妹の住む家、父親としては足止めのつもりなんだろうけど、ビッチ姉妹は普通にビッチなだけだったよね?
音楽もよい。
『アダムス・ファミリー(実写版)』
かなり好き。
金曜ロードショーで視聴。善悪逆転変人一家のアダムス家に、行方不明だったフェスターが帰ってきた。しかしそれはゴードンという別人だった。フェスターとそっくりな彼は、高利貸しの母親の命令でアダムス家の隠し財産を探すために潜入したのだ。しかし彼はだんだんとアダムス一家に馴染むようになってきて……。
観たのはかなり久しぶり。やっぱりアダムス家は倫理観おかしいし楽しそうだしで最高。電気処刑しようとする姉とされる弟とそれを眺める母親で全員喜んでるのは何なんだよ。
ゴードン、「アダムス家以外にもこんなんがおるんかこの街」と思ってたら、案の定無関係ではなかった。
敵役二人が墓に叩き込まれるシーンが特に好き。
人妻モーティシアが引き裂き拷問されて悦んでるところは、その……下品なんですが……フフ……。
『エルム街の悪夢(1984)』
ふつう。
名作ホラー。不気味な爪の男フレディに追われる夢を観る高校生たち。やがて夢でつけられた傷が現実になり……。
最初の犠牲者ティナが殺害されるシーンが圧巻。逆にその後の殺害シーンが個人的にそこを超えなかったのでちょっぴり残念だった。あとこれから最終決戦だってのに母親を寝かせたのはなんでじゃ?
両親に信じてもらえない閉塞感が厭さに寄与してていい感じ。
夢とも現実ともつかないラストがかなり好き。
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』
めちゃめちゃ好き。
凶悪強盗犯のゲッコー兄弟と人質になった牧師一家とのメキシコへの逃避行を描いたクライムサスペンス……かと思ってたら中盤でいきなりおかしくなる映画。ジャンルはホラーアクションらしいです。
とにかく出てくる奴らみんなキャラが立っている。凶暴な悪党だけど筋は持っている兄セス! タランティーノ演じるイカれた性犯罪者の弟リチャード! 信仰は失くしたがいざとなればバットショットガン十字で戦うジェイコブ牧師! 股間マシンガン男セックスマシーン! ドミノタワーを建てさせてもらえないフロスト! 酒場のバーテンはダニー・トレホで店名はオッパイツイスターだ!
中盤でセスとジェイコブが乾杯するシーンが特に好き。マジで信頼関係が芽生えてきてるけど、本当にええんかジェイコブ?
『仄暗い水の底から』
好き。
ジャパニーズホラーの傑作。離婚した夫と娘の親権を争っていた淑美は、あるマンションの一室に部屋を借りる。しかし屋上で子供用の赤いバッグを拾って以来、水にまつわる怪異が起こり始める……。
怪異だけでなく、離婚調停やら幼稚園やらの身の回りで厭なことが積み重なっていく感じが厭。ジャパニーズホラーらしい厭な音もほんとうに厭。寒い日に観るんじゃなかった。最高でした。
娘との関係がギスらなかったのが救い。淑美がママとして下した決断がとても切ない。『リング』とは子を守ろうとする母という点で共通しながら、ある意味で対照的だった。
エレベーターを演出として巧みに使い倒してる。乗るの怖くなりそう。
『バグダッド・カフェ』
オールタイムベスト。
アメリカを旅行中のジャスミンは、夫と喧嘩別れして置き去りにされ、やがてバグダッド・カフェに辿り着く。そこの女主人ブレンダも夫を追い出したばかりで常にイライラ。ブレンダはジャスミンを邪険に扱うが、やがて彼女の存在はバグダッド・カフェになくてはならないものとなってゆく。
物語を追うというより、ジャスミンとバグダッド・カフェの人々との交流を描いた映画。人格をアクションによって描くのが抜群に巧く、それだけで心が引き寄せられる。
最初の印象は「変な映画」。ジャスミンの夫の支離滅裂っぷりが異彩を放つ。妙に傾いたカットと合わせて奇妙さで心をつかまれた。
序盤でギスギスを溜めたあと、中盤からは暖かな展開が続いていく。ショーのシーンは幸せで泣きそうになっちゃった。「浮世の悩みはマジックで消える」。
サロモの演奏に魂が入るところが特に好き。
テーマ曲の「コーリング・ユー」がマジで名曲。曲調が映画全体のトーンを表していて、不思議な雰囲気を醸し出していた。
唯一無二。そして幸せな映画でした。心穏やかにしたいときにまた観たい。