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書籍「知られざる縄文ライフ」ご飯は? トイレは?服はどんなものだった?
今回は2017年に発売された譽田亜紀子(こんだあきこ)さんの「知られざる縄文ライフ: え?貝塚ってゴミ捨て場じゃなかったんですか!?」についてです。
譽田亜紀子さんは2014年に「はじめての土偶」を出版、土偶の魅力を発信し続けて現在の土偶ブームをつくったお一人。
当時、縄文の専門家ではありませんでしたが、土偶と出会い、そのユニークさ、不思議さ、かわいらしさに夢中になり、この魅力をみんなに共有したいと思って5年がかりで最初の本を作ったそうです。
私もそれまで考古学にも日本史にも全然興味なかったですし、土偶もいちばん有名な「遮光器土偶」しか知りませんでしたが、その土偶と出会って「なんだこれ?」「面白い!」と造形のユニークさや不可思議さ、かわいらしさに夢中になって。
さらにネットでいろいろ調べたら、「ハート形土偶」とか「合掌土偶」とか、いろいろな土偶が出てきて。それから各地のいろんな土偶の実物を見に行くようになって。
で、思ったんですよね。同じ日本列島に住んでいた人たちがこんなに面白いものを作っていたのに、それを知らないなんて人生を損している。「こんなに面白いものがあるんだぜ!」ってことをみんなに伝えたい、共有したい、じゃあ本にしてみよう、と。
ただ当時、私はライターのアシスタントみたいな仕事をしていたのですが、本を書いたこともなければ、研究者でも専門家でもなかったので、結局5年もかかってしまって。土偶に出会ったのが33歳のときで、本を出したときは38歳でした(笑)。
書籍「知られざる縄文ライフ」はその譽田さんが「小難しいことを抜きにしてザックリ知るための縄文入門」として作ったもので、「ご飯は? トイレは? 服はどんなものだった??」という身近な疑問から縄文を教えてくれる本です。
特徴はなんといってもイラスト。
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このような感じでイラストで分かりやすく説明されています。そして「縄文ライフ」に焦点を合わせているのでテーマが幅広く、
どんな1日を過ごしていたか?
ヘアスタイルは?
どんな服を着ていたの?
一つの家に何人くらしていたの?
間取りはどうだったの?
トイレはどうしてたの?
成人式はあったの?
おしゃれしていたの?
どうやって結婚相手を見つけてたの?
どんなアクセサリーをしていたの?
どんな病気にかかっていたの?
お墓は?
何を食べていたの?
どんな料理法があったの?
食器は?
虫歯はあった?
などなど、生活全般のことについてイラストで説明されています。
同じ人間なので当たり前かもしれませんが、今の人のライフと共通している部分をたくさん知ることで、縄文を身近に感じることができ、縄文への親しみが増すという読書体験をすることができました。
次回の勉強会「縄文トーク@女川」ではこの本を紹介しようか検討中です。
それにしても5年がかりで本を作った、というのはすごい。女川と縄文をテーマにした本があったらいいな、作れないかなと思っていたので、勇気づけられました。
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