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本屋開業まで⑧

 「こんな本もあったのか」「この視点は面白い」──。
 ようやく本を置ける空間ができ、いざ、本の発注作業に取り掛かろうとしたが、本の世界は広く、深かった。
 まさに密林(selva)。狭い世界で本を読んできたことを痛感させられる。あまりの勉強不足に先が不安になってくるが、一歩を踏み出したからには歩みを止めるわけにはいかない。そう、自分に言い聞かせながら本を選んでいく。と、刺激的な本の数々に自然に口元が緩む。
 『マウロ・バハティエラ 行動するアナキスト、ジャーナリスト』(フリアン・バディーリョ・ムニョス著、渡辺雅哉訳 皓星社)
 帯には、「『20世紀初頭のマドリードにおけるアナキズムの草分け、スペイン内戦の著名な従軍記者』マウロ・バハティエラ(1884-1939年)。惨殺され、忘却の淵へと追いやられた『マドリード最後の抵抗者』」とある。
 読みたい。否、読まなければ。そう思って、注文する。
 他にも、『ハイン 地の果ての祭典:南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死』(アン・チャップマン著、大川豪司訳 新評論)『密告者』(フアン・ガブリエル・バスケス著、 服部綾乃・石川隆介訳 作品社)『白い骨片 ナチ収容所囚人の隠し撮り』(クリストフ・コニェ著、宇京賴三訳 白水社)など、好奇心をくすぐる本が次から次へと湧き出てくる。
 これは困った。深すぎる。
 どうしようもないので、自分の能力の範囲内で本を選び、数週間かけて注文作業を終えた。無事、本も徐々に届く。さて、次はどの棚にどの本を並べるかだ。
 それが、難問だった。
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12月1日、プレオープンしました。鹿児島市名山町4-8、みなと大通り公園に面した店です。

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