BOOKSライデン

新刊・古本・カフェ|13:00 - 20:00|不定休| 長崎・出島 屋号はオランダの学園都市・ライデンより。

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最近の記事

希望を与える場になるには③

 しばらく空いてしまいました。前回までに当店は本だけでなくその先の希望を与えることをミッションとすること、そのために本当の意味での居場所(=茶の間)、生のリアリティを取り戻すための他者(あるいは他者としての本)の介入、そして現在のノリを更新する「脱コード化」へという当店の考えを公開しました。今回はその実践例としての輪読会について書いていこうと思います。  昨年の『資本論』輪読会に始まり今年の『人間の条件』輪読会と2週間に1回、輪読会を開催しています。 この輪読会のポイントは

    • 希望を与える場になるには②

       ということで、希望を与えることをしばらく個人的なテーマにしているのですが、ではどうすればお客さんに希望を感じてもらえるのでしょうか。    ここで当店にて輪読会を開催しているハンナ・アレント『人間の条件』を参照してみましょう。アレントは「公的」に対する「私的」を意味する「private」という言葉はもともと「privative」(欠如している)という意味を含んでいて、それは「奪われている」(deprived)ということを意味するそうです。私生活やプライベートというものは「他

      • 希望を与える場になるには①

         こんにちは。当店は再来月の11月に3周年を迎えます。3年やっていると、開店当初考えていたイメージとも異なる部分も多くなってきまして、一度当店が今考えていることや実際どうなのってところについて書いてみようと思いました。こういうのは開店前から一貫して持っておけという話ですが。いやきっと持っていたのですがあまりに漠然としていて言葉にできませんでした。でも最近は本を発注するときやお客さんと接する中で具体的に言葉にできるようになってきました。テーマはずばり「希望」です。  今年4月

        • 【ちょっと時間があいたので】#3 マルクス『資本論』

           先月、昨年7月から続いていた『資本論』輪読会が原本第1巻終了に伴い、一旦休憩に入りました。『資本論』の原本は全3巻のうち第1巻がマルクスによって書かれたもので、第2巻と第3巻はマルクスの死後、彼の残したノートをもとに盟友エンゲルスが書いたもの。第1巻が最も肝にあたる部分だそうです。  この『資本論』とは一体全体どういう本なのか。「マルクス」と聞くとすぐに「革命」みたいな言葉が想起されますが実際はそうではありません(最後の方にちょろっと出てきましたが)。私が読んだ感じだと『