教員による本屋、ついに物件を決断!!それはピニャコラーダの淡い思い出。
われわれは、本屋を作ろうと企む小学校教員夫婦。
今日も今日とてチョークで身体を汚しながら、夜な夜な本屋を作るべく暗躍する秘密結社だ。
これまでにもいくつかの物件を、商店街の皆様のご協力のもと内見してきたのだった。
お家賃、駅までの距離、部屋の広さ、水回り云々。
物件の特徴は千差万別。
協力していただいている方々には全力を尽くしていただいているのだが、
紆余曲折あり、なかなか実現には至っていないのが現状だ。やむなし。
ところが。
いよいよ!皆様のお陰で!素晴らしい物件に巡り合うことができたのだ。
駅からすぐの!便利地!好立地!
しかも、めちゃくちゃ広い。
もう広い。もてあます勢い。
これだけあれば、何だってやれちゃう。
ギャラリーも作ろうよ、読書会もしようよ。
その気になれば相撲もとれちゃう。
ただぁ!
トイレが使えない。
おいお~い、どうすりゃいいんだよォ~、と思いながらも、内心はにやにやしていた。それごと面白がっちゃえばいい。そういう素敵な先輩が愛知県の本屋さんにいることをわれわれは知っている。
それに、教員を…なめるなよ……!!(cv古川登志夫)と言いたい。
世の小学校教員のトイレ我慢力をなめるなよ……!!
いろいろと自信のない人生だけれど、トイレ我慢の戦闘力だけはめちゃくちゃ高い。ムダに高い。
そんなことより、何より素晴らしいのがお家賃!
えらいてんちょうもひっくり返る有り難いお値段!
そりゃあ、自宅で家賃ゼロでやれればベストだけれど、そういうわけにはいかないもんだから。薄利の本屋をやるには、家賃はとにかく低くないと、どうにもならない。なんというありがたさ。
しかし!!!
結局、広いってことは、その分改装費がかさむわけで。
今まで見せてもらってきた物件の、2倍以上の改装費が想定されるのだ。
う~ん…
どうしたもんか。
一旦返答を保留にし、考えることに。
返答期限が近づいてきたので誰かに後押ししてもらいたく、前置きが長くなってしまったが我々はこちらの本屋さんへ向かったのだった。
そう、我々の人生はいつも、「困ったら本屋」なのだ。
Bookstore Lbio (ブックストア ルビオ)
ルビオさんは今年の5月にオープンしたばかり。自宅から車で30分で行ける距離だと分かったので、開店直後に夫婦でどどっとお邪魔した。
オープンして間もない本屋さんに、お話を聞いてみたかったのだ。
改装費が増えたことによって急に湧いて出てきた不安を抱えながら訪れた。
とっても綺麗で明るい店内に、店主さんたちのこだわりの選書が光っていた。本棚を見ながら生意気に「ああ、読書を愛している方の本棚だなぁ…」とか思っていた。「読書を愛している」というよりか、「本屋を愛している」に寄っている私にとっては、語れることが羨ましい本棚だなぁと感じていた。
そしてルビオさんのドリンク、すごい。カフェよりカフェ。本屋でピナコラーダ。本屋さんでこんなご機嫌なドリンクが飲める幸せ。ちなみにこちらはノンアルコール。これめちゃくちゃ美味しかった。
そんでもって面白いのが立地!商店街の中にあり、さらに目の前が名古屋市北図書館。図書館で借りた後に、目の前の本屋で新刊本も探せるなんて。
なんだこの交差点…
この商店街も素敵。横並びに、美味しそうなカレー屋さんがある。チーズケーキ屋さんまである。どうしよう、ここだけで、ルビオさん→カレー屋さん→チーズケーキ屋さん…のパーフェクトリレーが完成している…なんだこの商店街…
店主さんたちも気さくにお喋りしてくれるもんだから、それに甘えて本当に色々教えてもらってしまった。お話を聞きながら、やっぱり本屋さんっていいなぁと何度も思った。
この日ルビオさんを訪れて本当によかったと思った。後押しを(もはやカツアゲのような形で)もらうことができた。夫婦で後押しのカツアゲをしてきたようなものだ。感謝しております。
もう決めた。
帰りの車で「よし、あの物件で本屋をやろう」と夫婦で決断し、決断した旨の連絡を送信したのであった。めでたし、めでたし…。
だが!!
しかし!!
後日!!
なんと!!
今回の物件!!!
なんやかんや、ありまして、白紙に!!!
頭の中で「盆回り」が鳴り響いている。でもこればっかりはどうしようもない、オーナーさん側の都合で、なんやかんやで白紙にしてほしいという旨の連絡が後日入ったのだ。これはね、仕方のない、ど~うしようもないやつ。
でもね、今回の経験のおかげでルビオさんに出会えたし、自分たちの中での改装費の上限ハードルが下がった。ありがたい経験だ。
物件探しを商店街の皆様任せにしていないで、もっと自分たちの足でも動かなきゃいけない。
条件の面も考えなおす必要もあるのかもしれない。
なんか!うまくいきそうでしたけど!やっぱり!だめでした!!というお話を書き残しておいても意味がないような気がしたが、いつの日か読み直して、ああこんなこともあったねぇと笑える日のときのために、ここに埋葬しておこうと思う。
ピナコラーダの”カクテル言葉”は「淡い思い出」だそうだ。
そう。きっといつの日か目を細めながら、自分の本屋の片隅で、こんな日々のことを思い出すときが来るんでしょう。きっと。
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前回の本屋開業日記#6はこちら↓
日本中の本屋巡りの記録を残しています。
ぜひこちらからご覧ください↓↓↓
お出かけ・本屋巡り旅の参考になれば幸いです。
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