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古本市で「100円高く買いたい」となぜか値上げ交渉を受けた話【円頓寺 本のさんぽみち】


「500円、出させてください!!」


と、そのお客さまはおっしゃった。

お客さまが手にしている本『ウォーリーをさがせ!』の値段は、400円である。




前代未聞の値上げ交渉。




そんなお客さまいます? 
ウォーリーより見つかんないよ?



もしかすると、名古屋で最も有名なブックイベントであろう「円頓寺 本のさんぽみち」にて、「値上げ交渉」なんていう不思議なことが行われたのは、歴代初のことではなかろうか。


「いやいや!そんな!!申し訳ないです!!!」


とは言うものの、お客さまの心意気を無駄にしてはいけないと思い、ええい!と、ありがたく、お言葉に甘えることにした。


400円 → 500円


せめて、何かをお返ししなくては申し訳ない。


これだ。これしかない。


ちょうど、娘によるキャンペーン「こどものほんをかってくれたひとにはおまけのおもちゃをあげます」が開催されていたところだった。


相手は立派な大人だが、我々にできることはこれしかなかった。


「おもちゃを一つ選んでください」と胸を張る娘。


神様みたいなお客様は、なぜか100円値上げされた『ウォーリーをさがせ!』と、お子様ランチのおまけまでつかまされてしまうのであった。



というわけで先週の「せと末広町 本のさんぽみち」に続き、今度は「円頓寺 本のさんぽみち」に出店させてもらったのだ。


前回の格闘っぷりはこちらに綴っているので、ぜひこちらも読んでいただきたい。



45分も売れなくて、売れない間、心の中の小さな松木安太郎と実況をして遊んでいた。
「まだまだこれからでしょう!!」って。


円頓寺はどうかな…と怯えていたが、


なんと!開始6分で売れた!!!




6分って、『サライ』1曲より短いよ?

心の中の小さな加山と谷村がはやくもフィナーレを演出する。

なんともありがたい。幸せだなァ。



と、いうのも。

今回は、手放したくない本も売ってみたのだ。


いつもは「もう読まない本」ばかり並べていた。

今回は「いつか読み返したい本」も並べてみた。


お客さまが、手に取ってくださる間。

(わかりますそれいいですよね、おもしろいですよ)

とか、

(売れないなら売れないで、持って帰りたいなぁ)

とか、そんなことを考えていた。


「これは売れるだろうなぁ」と思っていた本は、ちゃんと売れた。

生意気。



話は冒頭の値上げ交渉に戻る。

出店前日に、準備をしていたときのこと。

我が子たちも一緒に出店するので、ためしに本を売ってみてはどうかと子どもたちに提案してみた。


意外にもあまり乗り気ではなかったので、


「売れた代金はぜんぶ自分のおこづかいにしていいよ」



と伝えると、我が子たちの目の色が変わったのだ。



そして、親というのは勝手なもので、

「もういらない本があったら持っておいで」

とか言うくせに、息子は思い出だらけの『のりもの』の絵本なんかを平気で持ってくるもんだから、



「それはだめ。さみしい。」




とかなんとか言っちゃったりして。
無理やり引っ込めさせちゃったりして。


あれだけ『のりもの』の絵本を、小さい頃の息子は愛していたのにね。

息子はとうの昔に、『のりもの』から「仮面ライダー」に乗り代えてしまっているというのに、親はいつまでも、東京駅に「こまち」と「はやぶさ」を見に行ってはしゃいだあの日から抜け出せない。



『のりもの』は、まだ売れない。




すまない、息子。



それでもなんとか選び終えて、無事、棚の一角に、子どもコーナーをつくることができたのだ。



と、こんな感じのお喋りを、お客さまとしていたのだ。

すると、それを耳にした別のお客さまが『ウォーリーをさがせ!』を手にして、



「500円、出させてください!!」



…と、このnote冒頭部分につながるわけなのである。

粋である。

もう、若大将!とお呼びしたかったくらいだ。

本当にありがとうございました。





さあ、500円を手にした息子。

彼も「宵越しの金は持たねえ」という若大将気質


なんと、すぐに500円を全額使って、並びの出店者のお店でおもちゃを買ってきやがった。



そのおもちゃが、これ。









おおきなバス・500円











「のりもの」じゃねえか。






うんうん、いいよいいよ。

また東京駅に、行こうじゃないか。





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