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そいつ、急に本屋始めるぞ
お陰様で、本屋を構える場所が、ほぼ確定した。
オープン日を、まだ(仮)が付いているが
公立小学校の夏休みが始まる日あたりに設定した。
7月の第3週から第4週の週末が多いだろう。
いよいよ始まるぞという段階になったにも関わらず、不思議と実感がわいてこない。
喝を入れるべく「ブタコヤブックス」のSNSを、
古くからの友人にカミングアウトしてみようと思ったのだ。
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今でも繋がっている小学校からの友人が二人いる。
私の結婚式で、誰よりも早く大泣きしてしまうような人達である。
大人になっても夜な夜なネットゲームで銃を手にチームを組む仲である。
彼らには、本屋を始めることは伝えていた。
かつての「豚小屋」に通い詰めた仲間でもある。
「豚小屋」とは、「ブタコヤブックス」の名前の由来になっている、かつての我が家の庭に建てられた手作りの小屋のことである。
詳しくはこちらのnoteを参照していただきたい。
ところが、彼らにカミングアウトをするには、やたらと勇気が必要なことに気がついたのだ。
SNSで恥ずかしいことをしている訳では無い。
やたらと自分をキラキラと見せようだとか、ウソをついているだとか、そういうことは一切ないつもりでSNSを続けている。
一応、等身大のアラフォーおじさんとしての発信を心がけているつもりなのだ。
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躊躇してしまう原因は、小学生の頃の記憶にある。
普段小学生と一緒にいる時間が長い分、子どもの残酷さをよく知っている。
小学校高学年児童が、自分の内面を吐露した文章なんて仲間に向けて書いた日なんかには、いじられてしまってどうしようもないだろう。
教員としてはそんなことが起きないよう努めてはいるが、正直、よく目にする光景ではある。
下手をすると、文章はすぐに「冷笑」の対象になってしまう。
彼らとの幼い頃の思い出の中にも、
そんなワンシーンが、正直、あるのだ。
だから、自分の文章を見せるのが怖かったのだ。
なので、表現一つ一つが気になってしまって仕方がない。
「なんだかこの文章は、リアルの自分よりテンションが高いな」
「びっくりマーク!が多い。はしゃいでやがるな」
「間を開けて溜めた割には、大したこと言ってないじゃないか」
小学生の頃からの友人の前では、感覚まで小学生の頃に戻ってしまうのだろうか。
小学6年生の頃の自分の目線で読み返したことで、多くの文章を書き換えたり、下書きに戻したり、削除をしたりしてしまった。
恥ずかしくなってしまったのである。
それでも、意を決してカミングアウトを実行した。
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すぐにフォロワー数が「2」増えた。
ちらちらっと見てもらい、感想をもらった。
小学生のような冷やかしや、揚げ足を取られることはなかった。
そんな心配をして、文章を消す必要なんてなかったのだ。
皆それぞれに大人に、おじさんになっていたのだ。
まあ、そりゃそうである。
こんな気持ちになってしまうのは、
私だけなのだろうか。
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ともかく、そういう「豚小屋」のルーツを知る人間の目線に常にSNSが晒されているというのは、緊張する反面、ありがたい。
誇張もウソも書けない分、背筋が伸びる。
あとから困るようなことにはならなさそうだ。
これで落ち着いて、文章が書けるようになる。
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あの頃の私たちに向かって「そいつ、急に本屋始めるぞ」なんて言ったら、どんな顔をするだろうか。
小学生の頃の我々に、恥じぬような発信を心がけていきたいと思った。