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10年ぶりに『神谷美恵子日記』を読む

先日、山本文緒さんの日記本を読み、ふと読み返したくなった本がありました。

それは『神谷美恵子日記』。

神谷美恵子さんを簡単にご紹介すると、1914年生まれ。エリートクラスの家庭で、幼少期は海外で過ごし、フランス語と英語が堪能。「女性は家庭」の時代、精神科の医師になることを決意し、医学の道へ。結婚し、二児の母になり、家庭と仕事の両立に悩みながらも、『生きがいについて』を出版。心不全で65歳で死去。

私がこの本と出合ったきっかけは覚えていないのですが、たぶん、図書館で何となく見つけたんだと思います。

大学生のころから、65歳で亡くなる直前までのストーリーがコンパクトにまとまっていて、昭和時代以降の「働く女性の人生」がイメージできたのと、やりたい仕事がなかなかできなくて悩む姿に、強く共感していた気がします。

もう一度読みたくなって、Amazonで購入したら「2013年に購入しています」と表示されました。10年前に読んでいたようです。
(私の個人情報がAmazonに全部記録されている…怖い。)

40歳で読むのと、50歳になろうというときに読むのでは、感じ方も少し変わりますね。

体力のおとろえつつあるとき、人間はよほど注意深く仕事を選択する必要がある。名誉心にとらわれてはならぬ、ましてや物質的欲望にとらわれてはならぬ。この世を去るにあたって、何を優先的になすべきか、これを常に問題にすべし。

『神谷美恵子日記』11月1日(49歳)の日記より抜粋

ホント、そうですよ。
体力が衰えてくるので、あれもこれもはできません。

ただ、神谷美恵子さんと違うのは、私はこれからの10年、何をやろうか全然想像できていないこと。

じゃぁ、どうすればいいのかというと、想像力を働かせて、考えるしかない。想像できなければ、なりたいとか、やりたい、という気持ちは湧いてこないし…。

偉人がやたら本を読んでいるのは、その「想像力」を増やすためなんでしょうね。

ビルゲイツも、こう言っています。

学ぶことをやめるまで、本当に年を取り始めることはない。すべての本は私に何か新しいことを教えてくれたり、物事の見方を変えたりするのに役立つ。読書は世界への好奇心を刺激し、それが私のキャリアや仕事を前進させる力になった

「イーロン・マスクやビル・ゲイツは「読書の鬼」、知識の幅を武器にした天才たち」日経クロステック

自分の好きなものばかりがレコメンドされ、ひたすら猫の動画や同じ作家が紹介されますが、これじゃぁ想像力は広がらない!

オススメに頼らず、自分の足で探さないといけないなぁ。



神谷美恵子さんといえば、かつて「100分de名著」でも取り上げられていました。

放映されていたのは2018年(6年前かぁ。)

当時、番組の司会は島津有理子さんでしたが、島津さんはこの番組で神谷美恵子さんの著書『生きがいについて』に影響を受け、医師を目指すとおっしゃっていたのを思い出しました。

そして今年見事、医師国家試験に合格されたそうです。
50歳で研修医生活をスタート!素晴らしすぎます。


年齢関係なく(いや、多少は関係あると思いますが)、できるか、できないかは、想像できることがスタートライン。

ビルゲイツも言うように、「学ぶことをやめるまで、本当に年を取り始めることはない」。

今日はちょっと涼しいので、遠出して、いつもとは違う書店に足を運んでみようかと思います。

皆さんにとっても、すてきな一日になりますように。

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