フランソワーズ・サガン「悲しみよ こんにちは」を読んだ。
セシルが夏の別荘で過ごすお話し。大好きでプレイボーイの父レイモンとその愛人エリザの3人で過ごしている楽しい時間が、あるとき、亡き母の友人のアンヌがきてから変わってしまった…
セシルは今の生活がとても楽しく父との関係も良好だったのに、アンヌが来て全てが思い通りにならなかったことからシリルやエリザといろんな計画をたててた。私がセシルの立場だったら、多分父が変わってしまっても、大好きなシリルともう会うなと言われてもアンヌにしたがっておけば人生うまく行きそうだなって思う。アンヌ自身頭が良いからこそ、いろんな先のことを考えてレイモンやセシルのことを考えてだと思うし、40歳だからこそ、人生の経験がセシルより長いからできるアドバイスだったんだろうな。私は本当に安定思考の冒険ができないタイプだから、レイモンやセシルのような生活ができるのは少し羨ましい。
恋愛は理性では制御できない人間の本能的な部分で動くことがあって、アンヌの結末も本当に事故なのか自殺なのかはわからないけど、なぜ父とエルザが会っているところを見てしまったんだろう…
セシルは自分がたてた計画の成功を望んでるようで望んでない、そこが17歳だなと感じた。シリルと素敵な恋をして欲しかったなあ。最後彼を必要としてたわけじゃないって言ってたけど、多分ちゃんと恋をしていたと思う。
最後は結局生活が戻っていたけど、アンヌの死はちゃんとセシルやレイモンの中にあって、でも楽しい生活を送ってて、今を楽しく全力で生きてるエネルギーの強さを感じた。自分が何をしている時に生き生きと感じるかを理解してる2人がすごくキラキラしてて羨ましい。シリルやエルザは少しかわいそうだったけど、きっとこの2人にも素敵な人が現れるだろうなと。
海外の小説を読むのは初めてだったから、少し読みづらさはあったけど、でもサガンがこの本を18歳で書いていたことに驚く。素敵な文章だった。この人はどんな世界で生きてたんだろうってサガンにすごく惹かれた。作者に興味を持つこと(今まで本すら読んでこなかったけど…)は初めてで、サガンの他の本も読んでみたいと思った。