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『脳科学からみた「祈り」』中野信子

概要

『脳科学からみた「祈り」』は、祈りという行為を科学的に分析し、脳や心に与える影響を明らかにした本です。祈りは宗教的行為にとどまらず、私たちの日常や人生に深く関わるものです。著者は、祈りが脳内で「幸福ホルモン」を分泌させ、記憶力や集中力を高めると同時に、免疫力の向上にも寄与することを説明しています。特に、他者の幸福を願う利他的な祈りは、自分自身にもポジティブな影響を与えることが科学的に示されています。また、祈りが未来を前向きに描く能力、いわゆる展望的記憶を強化することで、希望を持ち続ける力となる点も解説されています。本書は、勉強したい人や自己啓発を目指す人にとって、脳科学の観点から幸福感を高めるヒントを提供する内容となっています。

本のジャンル

心理学、メンタル・マインドフルネス、ポジティブシンキング、ライフスタイル

要約

祈りが脳に与える影響とは?

祈りという行為には、宗教的な側面だけでなく、脳科学的な恩恵があることが著者によって示されています。祈りは、大きく分けてポジティブな祈りとネガティブな祈りに分類できます。ポジティブな祈りは、感謝や希望といった明るい感情を伴うもので、脳内で幸福ホルモンとも呼ばれるβエンドルフィンやオキシトシンを分泌します。一方で、ネガティブな祈りは、怒りや嫉妬、不安を伴い、ストレスホルモンであるコルチゾールを増加させます。これが脳の健康を損ない、記憶力の低下や集中力の欠如を引き起こす原因となります。

ポジティブな祈りが持つ力は、例えばマラソンの「ランナーズハイ」に似ています。長時間走り続けることでβエンドルフィンが分泌され、脳が高揚感を得る現象です。同じように、前向きな祈りは脳内で快感物質を生み出し、ストレスを軽減し、心を穏やかに保ちます。このような祈りを実践することで、脳は健康を維持し、免疫力が高まるとされています。

利他的な祈りとオキシトシンの効果

本書の中心的なテーマのひとつが、「利他的な祈り」の重要性です。他者の幸福を願う行為は、自分自身の幸福感を高めるだけでなく、脳の活性化にも繋がります。この現象に深く関与しているのがオキシトシンというホルモンです。オキシトシンは「愛情ホルモン」とも呼ばれ、夫婦や親子間のスキンシップによって分泌が促されることが知られています。著者は、他者を思いやる祈りも同様にオキシトシンを分泌させ、脳にポジティブな影響を与えると述べています。

たとえば、母親が授乳中にオキシトシンが分泌されると、脳が活性化し、記憶力が向上することが実験で確認されています。同様に、他人の幸福を願う祈りを通じて、脳は前向きな感情を維持し、ストレスを軽減するのです。このような利他的な祈りは、自分だけでなく周囲の人々にも良い影響を及ぼすとされています。

祈りと展望的記憶の関係

祈りが未来を描く能力、つまり展望的記憶を強化する点も本書の重要なポイントです。展望的記憶とは、未来に起こる出来事や計画を思い描き、それを記憶する能力のことです。たとえば、「来週の木曜日に大学の友人と会う」という予定を覚えておくことがこれに当たります。

祈りは、未来への希望を具体的に描く行為でもあります。「家族が健康でありますように」「大学で勉強したいことが成功しますように」といったポジティブな祈りをすることで、脳は未来への期待感を高めます。この期待感が脳の活性化を促し、目標に向かって行動するエネルギーを生み出すのです。

さらに、展望的記憶を使って未来を計画することは、人生をより豊かにする方法として有効です。著者は、祈りが単なる宗教的行為ではなく、未来に向けて自分を動かす力を持つと強調しています。

運の良い人とは?脳科学で解明される幸福感

著者は、「運が良い」とは単なる偶然ではなく、脳科学的に説明できると述べています。京都大学の認知的焦点化理論では、運が良い人は、未来や他人のことまで考える「配慮範囲」が広いことが特徴とされています。この理論では、利他的な行動が脳に幸福感をもたらす仕組みを明らかにしています。

具体的には、他者のために何かをすると脳内で快感物質が分泌され、長期的な幸福感を得ることができます。これは、短期的な自己利益にこだわる人が得られる満足感とは根本的に異なるものです。運の良い人は、このような広い視点を持ち、長期的な人間関係を築くことで、自分自身の成功と幸福を引き寄せることができるとされています。

困難を乗り越える幸福感

単調な日常では、脳内快感物質の分泌が減少することがあります。しかし、困難な課題を乗り越えたとき、脳内では大量の快感物質が分泌されます。この達成感が、深い幸福感を生む理由です。たとえば、大学受験や難しいプロジェクトを乗り越えたときの喜びは、脳の報酬系が活性化することで得られるものです。

著者は、逆境や困難を「脳を鍛えるチャンス」と捉えています。祈りを通じて困難を乗り越える力を養うことで、より深い幸福感を得られると提案しています。

まとめと感想

『脳科学からみた「祈り」』は、祈りが脳に与える科学的な効果を明確に説明しています。著者は、祈りが脳内ホルモンを通じて幸福感をもたらすだけでなく、困難を乗り越える力となることを示しています。特に、利他的な祈りが自分自身の幸福にも繋がるという点は、多くの人にとって新しい発見になるでしょう。

また、勉強したい人や自己啓発を目指す人にとって、本書は祈りを日常生活に取り入れる具体的なヒントを提供してくれます。ネット上の口コミでも「気持ちが軽くなった」「前向きになれた」といった高評価が多く見受けられ、心のケアや人生のヒントを求める人におすすめの一冊です。ぜひこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。


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