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まさかの連鎖
瀧本哲史さんの「2020年6月30日にまたここで会おう」を読んでいます。書店員的には「僕は君たちに武器を配りたい」が出版された際に「何の本だろう?」と首を捻った印象が強いです。その時に読んでいれば良かったのかもしれないけど、私にとっては「いまがその時」だったのでしょう。控え目に言って全身がカッと熱くなりました。若者に向けた講演の記録なので私などお呼びではないのですが、そんなこと関係ないです。素晴らしいものは素晴らしい。何かやりたいことがあり、且つ「意識高い系」の自覚を持つ方にオススメです(意識が高いのは悪いことじゃありません。意識”だけ”高いのが問題なだけで)。近日中に読み終わるので、詳しい話はまた後日。
興味を抱いて瀧本さんの経歴を調べたところ「東京大学法学部卒」とあり、しかも卒業と同時に助手に採用と書かれていました。大学院を飛び級したわけです。すごいですね。そして指導教官が内田貴さん。そこで「おやっ」となりました。すっかり忘れていましたが、私一応法学部卒なのです。「ウチタカ民法」と言われてピンと来る程度には勉強もしました。直接教わってはいませんが、「債権各論」の授業で内田先生の書かれた「民法Ⅱ債権各論」(東京大学出版会)を教科書として一年間学んだのです。法律書というのは基本的に隙がなく、息継ぎのできない濃厚な内容が延々と続きます。しかも専門用語が多くてわかりにくく、三ページ読むとくたくたになるのがデフォルトです。でもこの本は違いました。驚くほど読み易かったのです。ちょっと面白かった記憶さえあります。瀧本さんの著書で内田先生の「ケース・メソッド」が紹介されていたことで、十何年か越しに謎が解けました。やはり主体的じゃないと楽しくないんですね。
また読みたくなってきました。調べたところ「民法III 債権総論・担保物権」は今年4月に改訂版が出ていて、法改正に対応しているとのこと。小説を書くプロレス&本好きの書店員だけではどうもパンチが弱いと感じていた今日この頃。ここに民法という武器をひとつ加えてみたらどうだろう? もちろんそんな簡単な話ではなく一万時間の没頭を要するわけですが、民法の知識は普通に生きていく上で役立つことはあっても無駄になることはありません。独学でどこまで行けるかわからないけど、ひとまず始めてみます。
素晴らしい本との出会いっていつもこうなんですよね。手に取ったことで興味や関心の目が開き、次のステージへ連鎖していく。冒険のきっかけをくれる。まだ見ぬ一寸先の闇へ踏み出す足元を照らす街灯のように。瀧本さんの本もどんどん読んでいきます!
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