読書メモ:ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か
読み終わって、今リンクを貼り付けてみたら発売が2001年とある。そうか、もう20年以上たっているのか。出版されて話題になっていたので割とすぐに読んだ記憶がある。ストーリー仕立てのビジネス書にはガッカリするものが正直多かったので、この分厚さの本がしょっぱかったら拷問だな、その時は早めに見切らないと、など思っていたのですが。いやー面白かったです。思い出した、旭屋書店水道橋店で買ったんだったな?違ったかな。残念ながらお店はずいぶん前に閉まってしまったけれど。
大まかなストーリーは覚えているけど、本書のキモである制約理論(TOC)については人に伝えられるようなレベルでは覚えておらず、さすが20年は伊達じゃないな、と。今回はオーディオブックで見つけて聞いたのだけれど、20時間以上のボリュームですよ。1.7倍速で再生したとはいえごっつい。でもテキストで読み切る自信はまずないので、自動で耳に入ってくるのはやはりありがたい。というわけで媒体は変わったが20年ぶりに再開しました。
本書はアメリカの部品工場が舞台である。効率化が叫ばれ、それに向かって頑張っているのになぜか赤字が増えている工場だ。発売当時本書をとても興味深く読んで、勉強になった!と興奮し、何か自分の仕事にも活かせるのではと辺りを見回し、あんま取り入れられるところはないかなと何となくそのままになっていったような気がする。なぜそう思ったかというと、私も出版社に勤めているから同じメーカーではあるのだけれど、生産管理については印刷所にお願いするもの、ぐらいの認識だったのでピンとこなかったのである。印刷所がこの知見を導入したら納期が短くなるのかな、読んでくんないかな、いや、日本の会社のオペレーションはそのあたり進んでいるか、など。
でも、引っかかっていることはあって、たとえば売上がいい商品があって大きいロットで作ると後で余ってしまうとか、逆に品切れになってしまうこととか。このあたりは使えるのではないかと思ったりはした。後日株式会社Goldratt Japan CEOの岸良裕司さんにお目にかかる機会があり、そのあたりを質問していたら「飲みいく?」と誘っていただき、その席で色々聞いてみた。出版業界がこの理論にフィットしないのではないかという疑問をぶつけたが、岸良さんは飲み込みの悪い目の前の若者に、本書の指南役のジョナよりははるかにストレートに教えてくださったにもかかわらず私は変われないバリアを破れず、ちょっと自己嫌悪になった。せっかく時間を頂いたのにすいません。。当時はそこが仕事の持ち場ではなかったこと、またそこまでの決裁もなかったこともあり、何となく問題意識はいつの間にか流れていった。
時は経ち、この数年にわかにこの印刷・製本まわりが騒がしくなってきた。単純に資材の料金が上がっているのに加え運送やら何やらが同時多発に襲いかかってきた。一方でデジタル印刷技術の進化で小ロット印刷・製本に関してはコストが如実に下がってきている。制約理論そのものの話とは違うと思うが、本書で紹介されている考え方を試せそうな状況ではないだろうか。さあ、10数年ぶりに、今度は自分も、あの時よりも責任を持って向き合わなければいけないんだよ。あと、当然自分一人でどうこう、という話でもないので、読書後のモチベーションが上がっているうちに、ファーストステップを踏まなくてはね。ともあれ、いいタイミングで再会できた。よかった。
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