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読書メモ:売上を、減らそう

「営業マンたるもの」カルチャーで社会人の入り口を経験した私は、売上は上げ続けなくてはいけないもの、というのが当たり前に染み付いていた。毎年上がっていったら20年後はどういう売上になっているんだと皮肉ったりはしたけど、どこかで「そうしておかなければいけないもの」という意識もあって、だから数字に一喜一憂したりしてもどこかプレイじみた冷めた感じもあった。だって売上はわかるけど経営数字の感覚もわからないし、そこにある目標に向かって何をするといってもルーチンに時間取られるし。それ以上意識しようにも、という意識だった。

ミニマリズムはそれまでの豊かさに対してのひとつの問いかけだったし、社会起業みたいなコンセプトも出てきたり、やっぱり根拠のない永遠に右肩上がりの設定っておかしいよね、じゃあどうすればいいんだろ、ってダラダラ考えてたから変わるわけでもなく。まあそもそもがプレーヤーだから変える権限もないわけなんだけど、あるべき論は頭のどっかにずっとあって、他社・他業界の方に聞いたりしたが大体似たり寄ったりで。

なので本書の明快な「答え」が眩しすぎて、いいのか?こんなにシンプルでいいのか?と何か突っ込みどころはないのかうろたえた。試行錯誤や苦悩もくぐり抜けたわけではあるが、答えの原型は最初からあったわけで。ミニマルな考え方がぶれない。かっこいいなあ。売上、減らしたいなあ。


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