これは……本当に日本で起きていることなのか?
日本における難民問題を扱った本。
一時期、ウィシュマ・サンダマリさんが入管内で死亡したことから、入管問題が一気にクローズアップされた、と記憶しているが、実はそんなに深い関心を寄せることはなかった。
どこか遠いところで起きているできごと、という感覚があった。日本の公的施設で起きたことだし、いくらなんでもそんなひどいことはなくて、どこかで情報が誇張されたり、誤って伝えられたり、そういうことがあるのではないか。漠然とそう思っていた。
ところが、本書を読んでいくうちに、ことはウィシュマさんだけに限った話ではなく、ものすごく広く根深い問題なのではないかと感じるようになった。
本書の著者・佐々涼子さん、本書に出てくる弁護士・児玉晃一さんはTwitterもされている。
佐々さんの本はどれも読みやすく、内容は胸を打つ。非常にお勧めのノンフィクションライターである。