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読書記録〝生と死を描くノンフィクション作家〟
『夜明けを待つ』 佐々涼子:著
著者の本を初めて読んだのは震災後の
『紙つなげ!』だった。その後『エンド・オブ・ライフ』を読んで、少し前には
『国際霊柩送還士』をドラマで見ていた。
その少し前に著者の病気の事をニュースで見て、この本の事を知ったんだったかな。
この本はこれまでのノンフィクションとは
少し違ってこれまでの、著書にまつわる
ルポやエッセイ。
オウム真理教の死刑執行にモヤモヤするね。
という著者と友人とのやりとりは、
私も当時言葉にできないけどうんモヤモヤ
してたなと思ったり。
ぐさっと来たのは、移民で親とやってきた子どもたちは、日本語が不自由なだけでなく、親は仕事で忙しく子どもたちと会話をする機会が少なく、母語も喪失してしまう。
いわゆるダブルリミテッドになるというのだ。
移民問題にはこのような事も含んでいたのか、
と思うと同時に貧困にもこの問題は含まれているのではないかと。
著者は9月に亡くなった。
もちろんノンフィクション作家はまだいるし、きっと弱い者に寄り添ってくれる人もいる。
でも、このように生と死を書いてくれる人は、
いないんじゃないだろうか。
もっと読みたかった著者だった。