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【出版マーケの扉 P.006】書籍の特性に応じた戦略・戦術

いつもnoteをお読みいただきありがとうございます。
代表の菊池です。

ブックダムをご存知の方は"出版社"として認知いただいていると思いますが、創業時は書籍のプロモーションに特化した会社であったことは、ほとんど知られていません。
当時は私ひとりでしたので、自身のプロモーションに関する経験やノウハウを活かして、価値を提供していこうという創業期でした。

前置きが長くなりましたが、ブックダムとして初めての支援させていただいたのは、こちらの書籍でした。

こういった実用書ジャンルの書籍については、一社目の出版社時代に多数販売促進に携わる経験がありましたが、第三者としての立ち位置で支援に携わることで、新たに得るものが多くありました。

同ジャンルはもちろん、他の書籍でも少なからず応用できる情報だと思っていますので、どんな戦略・戦術のツボを押さえたのかをシェアします。

※デリケートなジャンルの書籍に関して扱った記事です。
私の表現や記述によって、万が一不快な印象を与えてしまいましたら何卒ご容赦ください。
あくまで書籍にフォーカスした、出版マーケティングという観点での事例紹介となっております。


レビューが信頼を醸成する

本書については、Amazonでカテゴリー登録されているのが「不妊症」や「妊娠の知識」でした。
決して読者の母数が多いカテゴリーではないですが、悩んでいらっしゃる読者の方は確かに存在しています。

類書を分析してみると、当時Amazonでロングセラーになっていたのは特定のタイトルで、レビュー数も多く高評価でした。
当たり前のことかもしれませんが、口コミが口コミを呼び、信頼を醸成していく。他のカテゴリーと比較したときに、その傾向がより強いジャンルだろうという前提条件を踏まえて、戦略・戦術を策定しました。

 ご購入いただいた読者の方には、任意でレビューにもご協力いただくよう促す、泥臭いアクションを行いました。(あくまで任意です)
2025年1月時点ではおよそ90のレビューを数え、評価は★3.9という高評価をいただいています。

オリジナルPOP

Amazonベストセラーは継続がモノをいう

Amazon1位を獲得する。
書籍のプロモーションにおいて、優先施策に上がるケースが多いです。
本書の支援目的についても、Amazon1位(ベストセラー)の獲得にありました。

ただし誤解されがちなのは、1位を獲得すれば良いということではないということ。瞬間風速の一過性なものでは、ロングセラーに育てるという観点では不充分といえます。

基本的なステップとしては以下になります。

・Amazon1位 (ベストセラー)を獲得するために短期的に購買を集中させる
・1位獲得後は、中長期的に1位ないし上位キープを実現するための施策を講じる  (おすすめはAmazonスポンサープロダクト広告。これはまた別の記事で書きます。)
・その間にレビューを増やしていく
の積み重ね

シンプルではありますが、地道なアクションが必要になります。
特にはじめて出版される著者の方は、パートナーである出版社、著者の友人・知人の方などから、第三者意見をいただいて、事前に準備をしておくことをおススメします。

本書については無事Amazon3部門でベストセラーを獲得でき、重版も達成し、著者様にも満足していただける成果を提供することができました。

書店とAmazonの棲み分け

本書については、ジャンルの特性を鑑みた際に、書店よりAmazonをはじめとしたECで購入される読者が多いだろうという推察をしていました。

書店の場合は「目的買い」になる書籍なので、まずは棚に1冊あることが大切。売場面積の広い大型書店では、平積みできていたらなお良い商品です。

ブックダムが支援したのは実用書コーナーでの多面展開。複数の書店様で実施をしました。もちろんやみくもにではなく、同ジャンルの類書実績が高い書店を選定。
ジュンク堂書店池袋本店様では女性実用書ランキングで1位を獲得。(期間:2020年8月23~29日 )

書店とAmazon。どちらかに偏ることをせず、書籍の特性に応じた戦略・戦術を組み立てて、有限の資源(ヒト・モノ・予算)を最適に配分し、実行することが大切だといえます。


もう5年ほど前の事例なので、振り返りながら懐かしさを感じました。時代のトレンド、読者のインサイトやカスタマージャーニーは当然変化しつづけていますが、やることを忠実にやる(凡事徹底)という本質は、まだそこに在るなとも感じました。

今回もお読みいただきどうもありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。

★出版にご興味・関心のある企業様(経営者様、マーケティング担当者様、広報担当者様など)は、ぜひお気軽にわたしたちにご相談いただけると嬉しいです。