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【ある生活】「小諸そば」のある生活

主に都内、しかも都心部に集中して展開している(と私は観察している)立ち食いそばのチェーン店「小諸そば」。立ち食いそばのセオリー「安い、早い、うまい」を固く守り、日夜働くビジネスマン諸氏の強い味方となっている。
※ちなみに店舗の看板には「打ちたて・茹でたて・揚げたて」とあります。

小諸そばの「圧倒的コスパ」

とにかく(他の外食チェーン店に比べて)コストパフォーマンスがダントツに優れてます。

注文から提供までの時間も圧倒的に早いので、短い時間で食事を済ませたい「サラリーマンランチ」のニーズにしっかり応えています。ある意味その回転の速さで利益を出しているものと考えられるので、ピーク時にくつろぎを求めてこの店に入ってきてはいけません。店はおろか、他のお客様にとっても迷惑になりますからね。

小諸そばの「クオリティ」

小諸そばのクオリティを語るうえで欠かせないのが「店内で茹でている」ということですね。お店の看板にもある「打ちたて・茹でたて・揚げたて」の3本柱のひとつです(さすがに店内でそば打ちまではやってませんけど…)。

他の多くの立ち食いそばチェーン店では、あらかじめ茹でたそばを工場から運んできて、店内では温めるだけの作業をしていますが、小諸そばでは生そばを茹でるところからやっています。手間や作業時間的には不利ですが、できあがった麺の歯ごたえ、喉越しでは圧倒的な差を生み出します。ある意味これが小諸そばのクオリティの要になっているところでしょう。

以前どこかのサイトで「小諸そば」のクオリティの低さを揶揄するような記事を見たことがあります。私にはそれほど低いとは思えないんですけどね。その記事ではことさら「そばとつなぎの割合」に注目して叩いていたのですが、私からすると「そんなの関係ねえ」になってしまうんです。だって、そばの香りが分かる人がどれくらいいるかって話ですよね?。(分かったつもりになって叩いてるだけちゃうんか?)と私は言いたいですね(←いったい誰に怒っているのか)。そばの美味しさ、つまりクオリティを決めるのは香りではなく、茹で加減と喉越しだと、私は思うのです。

ここからは私がよく注文する「小諸そば」のメニューと、我流の「食べ方」をご紹介してみましょう。

小諸そばの「二枚冷やしたぬきそば」

夏場の定番がコレ。略して「にまいひやた」¥410(2020/07現在)。パッと見でどんぶり上のバラエティ感と「そば二枚」のボリウムがうれしいメニューです。

まずは麺をかきわけ、つゆをひと口すすり、そばを2、3口いただきます。これで基本の味とそばの食感を確認です。ごくたまに茹で加減の残念なそばに当たってしまうこともあるのですが、基本的に小諸そばの「喉越し」は大好きですね。

そして前菜の気分でトッピングのカマボコと千切りキュウリを片付けてしまいます。別皿にショウガが盛られているので、こいつを丼に放り込み、チョチョイっとそばに付けながらいただきます。こうするとどんぶりにはタヌキ(揚げ玉)とそばだけが残り、「純たぬきそば」の姿となります。

おもむろに卓上のネギを(小諸そばでは卓上の器にネギがあり、事実上の入れ放題なのです←店舗やタイミングによっては違うこともあるんですけどね)、気持ち多めに入れて、そばの下に沈めます。こうして角が丸くなったつゆとともにそばをすすります。この「味変」がなかなかにうまいのです。タヌキ(揚げ玉)も絡めつつ、そば、つゆ、揚げ玉のコラボレーションを堪能するのです。
※小諸そばの揚げ玉は、それ専用の「揚げ玉」ではなく、事前にかき揚げを揚げたときなどに出る「副産物」です。なので小エビや野菜なども混じっていたりして、それはそれで嬉しかったりするモノなのですよ。

そばの量も残り半分くらいになったところで、これまた小諸そばの名物である「ゆず七味」を、これでもかというくらいに振りかけ、そばの大地を真っ赤に染めあげます。ネギの甘みをたたえたつゆに、ピリッとした辛さと柚子のさわやかな香りが加わり、後半戦の口の中を楽しませてくれます。ここからは完食というゴールに向かって、そば、つゆ、揚げ玉、ネギ、そしてゆず七味のコラボレーションを一気に駆け抜けてゆくのです。

こうして複数の段階に渡る「味変」を経て、通称「にまいひやた」を堪能する旅路は終わります。その間わずか10分にも満たない怒涛の昼食タイムに、色鮮やかなバラエティ感とボリウム感、そして味変による「おいしさ」を堪能することができるのです。

香味肉そば大盛り

夏の「二枚冷やしたぬき」に対して冬の定番がこちら。略して「こうみそばだい」¥520(2021/01現在)。通常メニューは「香味肉うどん」といって、うどんで提供されるメニューなのですが、注文のとき、そばに変更してもらうことができます。そしてそれがポイントでもあるのです。

さらに、ピークタイムを外れている時間帯で、スタッフさんに余裕がありそうなときは、追加で「うどんつゆで!」と注文します。通常は麺をそばに変更すると、つゆも自動的に色の濃いそばつゆになるのですが、そこをあえてうどんつゆに変更してもらう(スタッフさんからすると二重の変更になるのでややこしい)ことで、関西風だしと柚子胡椒のコラボレーションが際立つうまさをいただけるのです。

まずはセオリーどおり、つゆをひと口すすり、そばを2、3口いただきます。これで基本の味とそばの食感を確認。追加オーダーで実現する「そば」と「うどんつゆ」のコラボレーションを確かめます。

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