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life.afterlife
2020年3月18日 21:54
「そこには楽園がある」オヤジが言った言葉にオカンは顔を顰めた。「子供になに言うてんねん」20世紀が終わろうとしていた1999年、二十歳を越えはじめてその街に足を踏み入れた。オヤジが言った言葉のとおりそこには“楽園”があった。「五條楽園」。あの時、オカンが顔を顰めた理由も理解できた。多くの京都人がひっそりと通ったであろうこの街は平成になって幕を閉じた。そこは昭和の“楽園"だっ