地域の木材で庁舎を建てる
北海道の北部に位置する上川管内当麻町で、地元木材を使用した庁舎が建てられた。
しかも住宅の企画や構造を駆使して、コスト削減したとある。これでも耐震対策はバッチリだという。在来工法やトラス構造を使用している点も面白い。
住宅でも最近の主流は、輸入材を加工した集成材を加工したプレカットの木材で、大黒柱も無く、機械的に建築されていく。温もりを感じない家がほとんどだ。
ましてや、公共施設はほぼRC造で1mmも木を感じない。使われたのは、RCの型枠くらいだろう。最近のものは、申し訳程度に木材で意匠を行うことがあるが、地元材をふんだんに使用した庁舎というのは、見ている方も誇らしい。
当麻町は、敷地面積の65%が森林で、農業林業が基幹産業という。
「だから、木がいっぱいあるんだ」
ではない!
そもそも日本の国土の68%は森林なのだ。
外に出て山が見えないのは都会くらいだろう。いくらでもあるものを利用しないでいるだけだ。やる気になれば、当麻町の庁舎のように誰しもから愛される公共施設が出来るのにやろうとしていない。
薪を使ったボイラーも素晴らしい。これが今後の中山間地域の目指す方向だと思う。
『地域内循環』
これを考えたい。
家庭で年間30万円光熱費を使っているとする。地域で10000人いて3000世帯あるとすると約10億円に近い金額を地域外に流出している。これを薪ボイラーに変えて1億円でも地域内で循環させることができれば、地域も潤い雇用もできるはず。
林業に目を向けていきたい。