修士課程を振り返る
お茶はいかが?
日々乃 夢/すやこです。
今日は、修士課程について振り返りたいと思います。
修士課程の困難
修士課程に入ってから、最も苦労したのは執筆方法です。
大学では卒論が卒業要件ではなく、私は論文を書かずに卒業しました。そのため、修士課程に入ってから「さて、論文をどうやって書く?」という疑問に向き合うことになりました。
余裕を持って早めに書き始め、早めに完成させたいと思っていたのですが、論文の書き方を知らなかったので、書き始め方も分からない…
そこで、論文の書き方を学びながら、論文を書き始めることになりました。
真っ白の紙を前に悩む
大学院に入って、まず図書館に入っている修士論文を読みました。
何年も前の修士論文から、最近の修士論文まで、とにかく目を通すことで修士論文の全体像を掴みたいと思ったのです。
様々なテーマで書かれた修士論文は、意外と書き方がバラバラでした。
章の数、参考文献の表記、図表の入れ方など…本当に様々です。
それ故に、「色々な興味関心が研究になっていて面白い!でも、結局どうやって書き始めたら良いの?」と疑問は募りました。
とりあえず章立てをする
ここで、私は思い切って章立てに入りました。
ゼミで研究計画書の指導を受けながら、細かく検討しなければいけない課題が山積みになっていきましたが、一旦私なりに組み立てることにしたのです。
最初は以下のように断片的な書き方でした。
それでも、形式を作ってみると何が足りないか見えてきました。とりあえずの形式にはなったので、ここから内容を深めていくことにしました。
このように書き出したものからさらに疑問点を挙げていくと、何を調べるべきか、考えるべきか少しずつ見えるようになってきました。
書けるところから書く
決められた締切までに書くためには、書けそうなところから取り組むことが良いのではないかと思っています。
私の場合、修士課程に入って初めての夏に、突然第2章を書きたくなりました。
そして、教授に提出してみました。
結果は、赤ペン訂正・指摘だらけでした。
あまりに赤だらけだったので、何から手をつけて良いのか迷いました。
それでも、今振り返ると提出して良かったと思います。なぜかというと、修正に向き合う時間が十分にある状態だったので、改めて一から参考文献を探してみたり、文章の書き方を模索してみたり、試行錯誤が出来たからです。
この時の赤ペン訂正・指摘の中には、博士課程に入った今もまだきちんと答えられていない・説明できていないところがいくつもあります。
だからこそ、研究を続ける必要があると感じています。
赤ペンで書かれていたことは、教授からの宿題でありお手紙だと思っています。
1つのテーマに向き合うこと
修士課程は、1つのテーマを1年、2年と長い時間をかけて考える場所だと思います。人によっては、さらに長く向き合うことになるかもしれません。
もちろん、最初に選んだテーマから大きく方向転換をする人もいますが、結局は何かを選んで書かなくてはいけません。
こうした時間を、「1つのテーマに向き合える充実した時間」と捉えるか、「1つのテーマに向かわなくてはいけない大変な時間」と捉えるかは人それぞれだと思います。私にとっては、充実していて大変な時間です。
研究者としての責任を感じながらも、ふと自分の興味関心を追求する楽しさを感じられる時が一番良い時間だと思っています。
「分からない」ということが分かる
修士論文を提出し、口頭試問を受け、修士号を授与された時、「やっぱり分からなかったなあ、ちゃんと説明できなかったなあ」という気持ちが湧いてきました。
そして、試行錯誤しながら2年間取り組んだ結果、分からないことが増えました。
修士論文の「おわりに」を書くことで、一旦研究を完結させたものの、本当は一生をかけても完結出来ないような気がしています。
書いてもこぼれ落ちてくもの
どれだけ一生懸命書いても、表現できないことがあります。一文を書いては消し、書いては消し…しっくりくる表現が出来ないもどかしさが募ることばかりです。恐らく、これからも変わらず「あれも違う、これも違う」と唸りながら研究を続けていくのだと思います。
いつかしっくりくる日が来たら嬉しいです。
一進一退、謎に包まれた博士課程へ
「分からない」ことが分かった私は、博士課程に進学しました。
「分からない」ことを探究するためです。
今のところ、博士課程に入ってから「分からない」がさらに増え続けています。
困りました。
もっと探究します。
博士課程を修了する頃には、何か分かるのか、やはり分からないのか、やや不安ですが楽しみです。